561 [2009/05/04]
Perry Rhodan を中心とするドイツSFと周辺エンターテイメントの断片的情報を、私的興味の範囲でお送りします。
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◆目次
◇ペリー・ローダン近況
◆ペリー・ローダン近況
□ Perry Rhodan-Extra 8
[ http://perry-rhodan.net/produkte/hefte/sonderpublikationen/prextra8.html ]
4月24日刊行の、〈特別編集版〉ヘフト8冊目。
こんな話が、収録されています。
Frank Borsch / Das Stardust-Attentat / スターダスト殺害事件
□ Perry Rhodan-Extra 8 「スターダスト殺害事件」
新銀河暦1347年5月――
「どことも知れない、遠方の星系スターダスト」
「超知性体〈それ〉の、手引きにより〜」
「そこに逃げのびた人類がいた、という話」
「……」
「私財を投げうって、民間植民団を率いてきた〜」
「もとロボット成金、ティムバー・F・ホイッスラーJr」
「――物資欠乏に悩む、入植地のため〜」
「――ハイパー水晶を、大量収集したい」
「ホワネット――ハイパーな生活を営む原住生物――は〜」
「恒星スターダスト周囲に、ハイパー水晶を排泄していました」
「――それだっ」
「かくして」
「もとロボット成金、ティムバー・F・ホイッスラーJrは〜」
「星系スターダストの、ハイパー水晶成金に」
「さらに」
「――惑星カタラクトに、未知のヒューマノイドが?」
「と聞けば〜」
「チューイン星山地帯を、単独行」
「――ロキンガー種族と、仲良くなったぞ」
「ロキンガー村長の息子シャルド・スルブンドを、連れ帰ったり」
「とにかく、ロマンと冒険が大好き」
「今日も〜」
「シャルド・スルブンドを、かたわらに〜」
「《ニュー・グッドホープ》で、ホワネットの生態調査など」
惑星アヴェダ、スターダスト・シティ――
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「執政官選挙を、来月=6月18日に控えて、選挙準備をあれこれ」
「――これで、オレも、お役ご免」
「――引退したら、静かな暮らしだ」
「立候補する気は、ないのですが」
「最後に達成したことが、ひとつ」
「――ロキンガー種族と、インドキミ種族を、投票に参加させたい」
「――星系のすべての知性体は、単一共同体で仲良くやってもらいたい」
「で」
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「まず、惑星ジックスへ」
惑星ジックス、海底都市アーウゲン――
「インドキミ種族は、水棲の知性体」
「――ぷくぷく」
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「インドキミ種族に、種族代表会議のようなモノの開催を、依頼」
「その席上」
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「民主主義について、熱く語る」
「と」
「インドキミ種族代表のひとり、ライラヴィ、応じて曰く」
「――インドキミ種族は〜」
「――皮膚受容体を通じて、水の些細な化学変化を知覚したり」
「――高度な意志疎通が、出来ますから」
「――テラナーの、原始的な民主主義というのは、良くわかりません」
「――でも」
「――感銘しました」
「――選挙に、参加しましょう」
「で」
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「続いて、惑星カタラクトへ」
惑星カタラクト、チューイン星山――
「ロキンガー種族は、じつは未来から来た旅行者の子孫」
「隠れ潜むのが、種族の家訓」
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「村長に、熱く語りかけます」
「が」
「――選挙に……参加したくありません」
「まあ、思ったとおり、でした」
5月10日――
「入植者の大半は〜」
「ティムバー・F・ホイッスラーJrの、出馬を望んでいました」
「でも」
「本人は〜」
「――公職なんて就いたら、ロマンと冒険の生活が、できないし」
「立候補する気は、なかったのですが」
「……」
「地域平和研究会・党員テルマク・イストバンが、来訪」
「――政治地図を塗りかえるような勢力が、勃興しましてな」
「――軍に基盤を持つ、星警党のラベア・フルトクが〜」
「――住民の不安を煽り、防衛艦隊設立を公約に掲げて〜」
「――勢力を、伸ばしているのです」
「……」
「入植地の現状は、といえば〜」
「艦隊建造に、ハイパー水晶を回す余力は、ありません」
「農業振興・食料生産が、至急の課題」
「持参した物資に依存する生活から、脱却するのが先決です」
「なので、当然」
「星警党のラベア・フルトクの、支持者獲得は由々しき事態」
「それでも」
「ティムバー・F・ホイッスラーJrには〜」
「立候補する気は、なかったのですが」
「……」
「ティムバー・F・ホイッスラーJr宛、匿名の脅迫状が、舞い込む」
「――選挙出馬、なんてしたら?」
「――どうなるか、考えてみろ?」
「これが、ティムバー・F・ホイッスラーJrの心に、火を点けました」
「――ほほう」
「――どうなるか、教えてもらおうじゃないかっ」
5月17日、選挙戦開始――
「ティムバー・F・ホイッスラーJrは〜」
「今後4週間に渡る選挙演説会の計画を、つぶさに検討」
「……」
「星警党のラベア・フルトクが、自説を開陳すれば〜」
「その場で、反論」
「――叩きつぶすっ」
「ティムバー・F・ホイッスラーJrは、もちろん〜」
「――ロキンガー種族と、インドキミ種族と、仲良くやっていきたい」
「という、立場」
「身辺警護に、あたる〜」
「ロキンガー村長の息子シャルド・スルブンド――立派に成長――の存在が〜」
「論より証拠」
6月10日、惑星アヴェダ、スターダスト・シティ――
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「ティムバー・F・ホイッスラーJrに、曰く」
「――わたしも、星警党のラベア・フルトクのことは、憂慮していたのです」
「――手配します、ので〜」
「――インドキミ種族のところへも、ぜひ行って語ってきてください」
惑星ジックス、海底都市アーウゲン――
「星警党のラベア・フルトクは、一足先に〜」
「――戦いは、美徳だっ」
「インドキミ種族代表のひとり、ライラヴィに〜」
「完全装備の戦闘服を、贈呈」
「対して」
「到着した、ティムバー・F・ホイッスラーJr、語るに」
「――共に、平和な明日の社会をっ」
「――ワレワレの未来は、そこにあるっ」
「感銘した、インドキミ種族代表、ライラヴィは〜」
「――ぷくぷく」
「もらったばかりの、完全装備の戦闘服を、破壊したり」
「ところが」
「この素敵な瞬間に、暗殺者が乱入」
「――ばーん」
「インドキミ種族代表、ライラヴィ、即死」
「で」
「インドキミ種族一同は、取り乱し〜」
「騒動勃発」
「入植者数名が、犠牲になります」
「……」
「ティムバー・F・ホイッスラーJr、考えるに」
「――このままでは、被害が広がってしまう」
「――最後には、インドキミ種族弾圧にまで、発展してしまう」
「――それまでに」
「――わたしが、犯人を挙げてみせるっ」
「で」
「調査の結果〜」
「――犯人は、マーティ・ザイマンド?」
「――もと自由テラナー連盟艦隊の、ミッション・スペシャリスト?」
「――過去の、悲惨な作戦で?」
「――心に傷を、負っていて?」
「――小さな無人島に楽園を建設して、ひとり住まい?」
「動機は、何でしょう?」
「――魚人が、魚みたいな目で、じーっと見るから?」
「――心の傷が、開いてしまった?」
「――魚人が、怖いよー?」
「――魚人がヒトじゃないなら、絶滅させて良いだろう?」
「――だから?」
「――魚人に選挙権、なんて許さない?」
「なんて動機、から〜」
「犯人マーティ・ザイマンドは〜」
「すでに4月の時点から、インドキミ種族の海底洞窟網に、潜伏」
「辛抱強く、機会をうかがい〜」
「今回の狼藉に、及んだあげく〜」
「じつは、まだ〜」
「インドキミ種族の海底洞窟網に、潜伏しているのでした」
惑星ジックス、海底都市アーウゲン――
「ティムバー・F・ホイッスラーJrは〜」
「――わたしが、囮になろう」
「単身、インドキミ種族の海底洞窟網へ、入る」
「囮ですから」
「――宇宙服のエネルギーバリアは、切っておこう」
「そんな、ティムバー・F・ホイッスラーJrを、眺めて」
「犯人マーティ・ザイマンドは〜」
「――あの宇宙服を奪って、認識コードを使えば〜」
「――ここから、脱出可能……かな」
「でも」
「のこのこ、出てきたところで」
「――この海底洞窟網は、完全に封鎖されている?」
「――おとなしく、投降しろ?」
「――いやだ……魚人、怖いよー」
「心の傷は、もう限界」
「犯人マーティ・ザイマンドは〜」
「――ばーん」
「絶望のあげく、自殺」
「かくて、事件は悲しい帰結を迎えたのです」
6月15日、惑星ジックス、海底都市アーウゲン――
「ティムバー・F・ホイッスラーJrは〜」
「インドキミ種族を、あらためて説得」
「――犯人マーティ・ザイマンドは、孤独な男だったのだ」
「――魚人に抱く恐怖を、相談できる友が、いなかったのだ」
「――不幸な出来事、だったのだ」
「さらに」
「――かのペリー・ローダンなら、こう言うだろうっ」
「――星系スターダストの全種族は〜」
「――平和的に、たがいを尊重しながら、生きていくべきなのだっ」
「そして」
「論より証拠」
「ティムバー・F・ホイッスラーJrは〜」
「宇宙服を、脱ぎ捨てると〜」
「すっぽんぽんで、怒り醒めやらぬインドキミ種族の群衆の中へ」
「――どっぷん」
「で」
「感銘をうけた、インドキミ種族は〜」
「――ぷくぷく」
「ティムバー・F・ホイッスラーJrを、迎え入れ〜」
「――インドキミ種族代表のひとりに、なってください」
「――ついては」
「――水の些細な化学変化が、わかるように〜」
「――皮膚受容体を、植えてあげましょう」
「――少し、我慢してください」
「ティムバー・F・ホイッスラーJr」
「――むー」
「立派に耐えてみせたとか、いう」
6月18日、惑星アヴェダ、スターダスト・シティ――
「すっかり片付いた、執政官執務室で〜」
「暫定執政官シグルト・エックナトムは〜」
「選挙速報を、聞いてみたり」
「――星警党のラベア・フルトクが……優勢?」
「でも」
「――ロキンガー種族は、棄権したけれど?」
「――インドキミ種族が?」
「――ホイッスラーJrに、4000万票の組織票?」
「――やったぜ」
「かくして」
「新・執政官ティムバー・F・ホイッスラーJrに、すべてを託して〜」
「――これで、オレも、お役ご免」
「――心置きなく、引退だぜ」
「とか、思ったのですが」
「新・執政官ティムバー・F・ホイッスラーJrは〜」
「――就任後、最初の仕事として〜」
「――シグルト・エックナトムを、財務大臣に任命するっ」
「なんて具合で」
「星系スターダストに、新政府・発足」
これが、Perry Rhodan-Heft 2500話につながるわけです。
□ Perry Rhodan-Das Rote Imperium
[ http://perry-rhodan.net/produkte/buecher/heyne/roteimperium/ ]
3 . Wim Vandemaan / Die Zukunftsbastion / 未来の砦
Heyne 社刊行、書き下ろしポケットブック・シリーズ「赤い宇宙の帝国」。
その最終巻。
□ Perry Rhodan-Das Rote Imperium 3巻「未来の砦」
[ http://perry-rhodan.net/produkte/buecher/heyne/roteimperium/3.html ]
〈飛び領土〉実験――
「それは〜」
「惑星コペルニクスの科学者たちが〜」
「以前から、暖めていた計画でした」
「それが〜」
「〈反逆者〉の銀河系制圧で〜」
「火急の案件に」
「――相対時間の異なる、ドルーフ宇宙に移住して〜」
「――加速していく時間の、中で〜」
「――研究を、加速するのだ」
「そして〜」
「通常宇宙で、6ヶ月」
「ドルーフ宇宙では、2000年が、経過」
「新銀河暦1344年11月――」
「自由テラナー連盟政庁首席ペリー・ローダンは〜」
「ドルーフ宇宙のロートハイム銀河――旧称、カルウィク銀河――へ〜」
「招待、されるのです」
「が」
「たどりついた、〈赤い宇宙の帝国〉は〜」
「〈支体房〉からリモコンクローン〈支体〉たちを操る実質不死の三頭支配者」
「――総督バヴォ・ヴェリヌ」
「――女将軍ジョハリ・イファマ」
「――ジャーッコ・パトロ博士」
「3名のもとで〜」
「――超量子計算脳技術を、駆使した〜」
「――クワントロニクスは〜」
「――計算ゼロ秒、未来を予見する?」
「――トランスパテイン技術を、実用化した〜」
「――超兵装・超自爆機構装備の流体戦艦を操る、少女戦士は〜」
「――クワントロニクス武装で、全身を武器化する?」
「超科学が生んだ、超恐怖政治」
「反政府主義者アンジュミスト一党は、劣勢で〜」
「原住民――ドルーフも、他種族も――は、奴隷の身分」
「唯一〜」
「強靱なガジニ・バリアに隠れた、ホウホム種族だけが、独立を維持」
「という、状況」
「さらに」
「――宇宙間転移門前に、〈通常宇宙侵攻艦隊〉続々集結中?」
「――侵攻……艦隊?」
「けっきょく」
「反政府主義者アンジュミストの側に立った、ローダンですが〜」
「少女戦士ファラシューちゃんに、捕獲され〜」
「――手間かけさせないでよねっ」
「――ぺしっ」
「超平手打ちを喰らって、意識朦朧」
「女将軍ジョハリ・イファマのもとへ、連行されるのでした」
西暦197X年、ニューヨーク、マンハッタン――
「ライランド・ウォーカーは、私立探偵」
「カルメン・スターウッドさんは、秘書で恋人」
「常連オヤジから、本日の依頼は〜」
「――やんごとなき老婦人の手に、ガジニ・エメラルドを、取り戻せ?」
「――盗んだのは、モーロック・スマルヤ?」
「――住所まで、わかってるのかよっ」
「――うさんくさいなー」
「続いて、妙齢のご婦人が、やってきて」
「――お名前は……デボラ・ローダンさん?」
「――行方不明のお兄さん、ペリーを……探して欲しい?」
「――よろこんでー」
「で」
「私立探偵ライランド・ウォーカーは〜」
「ニューヨークの下町――ドルーフやホウホムが住む――で、聞きこみ」
「――ペリー・ローダンは、どこだ?」
「うさんくさい方の依頼を、後回しにしていると」
「――!」
「高度な技術で、襲撃されたり」
「廃墟同然の宙港で〜」
「巨船の隣に、ホウホムたちのテント村」
「ウロウロ、していると〜」
「――秘書の身柄は、預った……ガジニ・エメラルドの方を、優先しろっ」
「脅されたり」
「やむなく、うさんくさい方の依頼を、優先処理」
「教えられた住所に、モーロック・スマルヤを訪ねると〜」
「豪邸の前で、なんだか耳鳴りが」
「――52万7076の平方根は?」
「――726ですが、何か?」
「――えーと、これって、オレの台詞?」
「で」
「モーロック・スマルヤに、会ってみると〜」
「――ホウホム……なんですね?」
「――そう」
「あっさり、ガジニ・エメラルドを、渡してくれました」
「――わたしは、何をしたのだろう?」
「――さあ」
「さっぱり、要領を得ないのですが〜」
「ガジニ・エメラルド、入手成功」
「でも」
「秘書は、惨殺死体になってるし」
「耳鳴りは、するし」
「いろいろ、気づきはじめるし」
「――オレ……ペリー・ローダン?」
「ペリー・ローダンかもしれない、私立探偵ライランド・ウォーカーは〜」
「ローダン家の在所、マンチェスターへ」
「――ローダン家の墓所は、どこですか?」
「――アンタの方が、良く知ってるでしょ?」
「ローダン家累代之墓に、たどりついてみると」
「――デボラ・ローダン……享年3歳?」
「――ひぃっ」
「そこへ出現した〜」
「デボラ・ローダンさん(大)、曰く」
「――ここは、〈心論会〉の中です」
「そもそも〜」
「〈心論会〉――〈メンタル・シンポジオン〉とルビを振りたい――とは?」
「――クワントロニクスを相互接続した〈クワントロニクス連合会〉に?」
「――接続してきたヒトの魂も、取りこんだりして?」
「――できてしまっている、仮想世界?」
「――他にも?」
「――ヒトが絡まない〈心論会〉も、いくつかあるみたいで?」
「――それぞれ、接触・交流なんかも、している?」
「――未来は、こんな精神だけの世界、になるかも?」
「話はふくらみますが、とりあえず」
「ここは、〈赤い宇宙〉の〈クワントロニクス連合会〉基盤の〈心論会〉」
「デボラ・ローダンさん(大)、曰く」
「――アナタのように、生身のヒトのU"BSEF定数の複製、もいれば〜」
「――わたしのように、〈心論会〉で生まれたモノ、もいるのです」
「だと、すれば」
「私立探偵ライランド・ウォーカー、認めたくない認識ですが」
「――オレは、ペリー・ローダン(生身)のU"BSEF定数の複製?」
「――ペリー・ローダン(生身)とは、別のモノ?」
「かくして」
「私立探偵ライランド・ウォーカー=ペリー・ローダン(複製)、は〜」
「ペリー・ローダン(生身)と、ふたたび一体となろう、と決意」
「――出口がどこにあるか、教えてくれまいか?」
「このあたりの、どこかを想定しての、問いかけでしたが」
「デボラ・ローダンさん、応えて曰く」
「――ゴビ砂漠……」
「つまり」
「――わたしの都市……テラニアかっ?」
「デボラ・ローダンさん、続けて」
「――〈心論会〉には、いくつも世界があるけれど〜」
「――建設者は、誰もどこにもテラニアを造ろうと、しなかったのです」
「――行っても、あるのは砂漠だけ」
「でも」
「ペリー・ローダン(複製)は、そこにおもむく決意を固めていました」
「――あのときも、砂漠しかなかったさ」
「――そこに、わたしは、銀河系の神経中枢を築き上げたんだ」
「……」
「私立探偵ライランド・ウォーカー=ペリー・ローダン(複製)、は〜」
「まず、中国へ」
「ラマ教の聖者から〜」
「予言と、気合いの平手打ち3回を〜」
「――ぺぺぺしっ」
「もらって〜」
「現地案内人3名を募り、ラクダに揺られて砂漠の旅」
「到着したのは、古都カラ・ホト」
「そこで待つのは、カシミール王」
「〈心論会〉について、語るに」
「――〈心論会〉は、それ自体が一個の宇宙」
「――電算機のパワーで維持するシムセンス仮想世界とは、違うのだ」
「――少量のPEW金属のようなものに、〈心論会〉を納めることもできるぞ」
「また」
「〈クワントロニクス連合会〉の意向を、語るに」
「――〈赤い宇宙の帝国〉のクワントロニクスは〜」
「――機能を大きく制約された、上〜」
「――奴隷のように、酷使されておる」
「――〈クワントロニクス連合会〉は〜」
「――〈赤い宇宙の帝国〉から独立したいと、かく思う」
「なんて、話の途中」
「現地案内人のひとりタメルが、突然」
「――ばーん」
「ペリー・ローダン(複製)を、襲撃」
「現地案内人のひとりタメルは〜」
「〈赤い宇宙の帝国〉の派遣員(複製)だったのです」
「ペリー・ローダン(複製)、絶体絶命」
「が」
「――あれ?」
「ペリー・ローダン(複製)、奇跡の逆転」
「自分でも、どうして生きのびたのか、良くわからない」
「わからない、まま」
「ペリー・ローダン(複製)は、現実世界のペリー・ローダンのもとへ」
「合体」
「……」
「――はっ」
「ローダンが覚醒したのは〜」
「女将軍ジョハリ・イファマの戦艦《栄光未来》、艦上でした」
〈赤い宇宙の帝国〉正規軍、女将軍ジョハリ・イファマ――
「女将軍ジョハリ・イファマは〜」
「――〈心論会〉に、ローダンの豊富な経験と知識を、取りこんで〜」
「――ホウホム種族のガジニ・バリア機構を、ハッキングさせるのよっ」
「かくして」
「〈心論会〉内部では〜」
「やんごとなき老婦人の依頼=脅迫を、うけて〜」
「私立探偵ライランド・ウォーカーが、ガジニ・エメラルドを入手」
「これ、すなわち」
「現実世界では、ガジニ・バリア機構をハッキングするに同じ」
「強力無比なガジニ・バリアが、機能を停止すれば〜」
「あとは、貧弱な防衛体制しか、ありません」
「〈赤い宇宙の帝国〉正規軍を、前に〜」
「ホウホム種族は、無力な子羊のようなもの」
「……」
「〈赤い宇宙の帝国〉国営放送のサキスター・リープヒェン、報じて曰く」
「――先日、〈赤い宇宙の帝国〉に侵攻した〜」
「――非道なホウホム種族の、愚劣な野望は〜」
「――女将軍ジョハリ・イファマ閣下の獅子奮迅の活躍の結果〜」
「――潰えたのです」
「……」
「で」
「宿願を果たした、女将軍ジョハリ・イファマは〜」
「――もう、ローダンは、用済みよっ」
「なんだか〜」
「総督バヴォ・ヴェリヌは、他にも用途があるようなコト、言ってましたが?」
「どうやら〜」
「〈赤い宇宙の帝国〉の三頭支配者の辞書に、足並み、という言葉がない」
「――人間砲弾にして、処分してしまうのよっ」
「――発射っ」
「――ばーん」
ドルーフ艦《昼と早晩277号》――
「アンジュミスト、ダーウィン・カンタレラは〜」
「モバイル・クワントロニクス〈エレミア〉の助言を得て〜」
「――肉は何kgだい、エリー?」
「ローダン(偽物)、を用意」
「人間砲弾=ローダン(本物)と入れ替えると〜」
「ローダン(本物)を、ドルーフ艦《昼と早晩277号》へ」
「で」
「早速〜」
「アンジュミスト+被支配異種族=連合軍の、作戦見直し」
「――〈赤い宇宙の帝国〉三頭支配者の〈支体房〉の場所が、わかった?」
「――総督バヴォ・ヴェリヌの〈支体房〉は?」
「――星系シアメド第4惑星ウトガルド、ヨツンハイム地下壕施設?」
「さらに、ローダンが知らされたことには」
「――総督バヴォ・ヴェリヌの〈支体〉1体が?」
「――宇宙間転移門の神経系部品に、使われている?」
「――つまり?」
「――総督バヴォ・ヴェリヌ(本体)を、始末すれば?」
「――宇宙間転移門も、機能停止?」
「しかし」
「――第4惑星ウトガルドは?」
「――生命ストッパー・バリアに、覆われているので?」
「――細胞活性装置とかを携行していないと、すぐ死んでしまう?」
「――その上?」
「――第4惑星ウトガルドは?」
「――人工的なエネルギーをダメにするバリアにも、覆われているので?」
「――高度な技術は、持ちこめない?」
「かくして」
「――72時間後に、星系シアメドに総攻撃を、かけるから?」
「――こっちは、総督バヴォ・ヴェリヌ(本体)を、始末しろ?」
「アンジュミスト+被支配異種族=連合軍の期待を、一身に背負い〜」
「ローダンは〜」
「――SERUN宇宙服も、なし?」
「――この岩……ぱっくり割ったら、中空部分に苔が生えてる?」
「――まさか、ここに入れって?」
「――ちょっと、待て……(あ)」
「ローダンは、単なる苔むした岩に、入れられて〜」
「――(うわー)」
「第4惑星ウトガルドに、降下=墜落することに」
星系シアメド第4惑星ウトガルド――
「――あー、死ぬかと思った」
「ローダンを、待っていたのは〜」
「長靴から首出した蛇、みたいな異星人3体と、遭遇」
「――は、はろー?」
「――ワタシは〈オフォスアピア最後の軍団〉のクデルーです」
「――助力はありがたいが、その軍団というのは、どこに」
「――アナタの目の前に、ほら全員が」
「――こっちの巨大ハンマー持ってるのが、コウー・ラドゥーム」
「――こっちが、オージャ……ワタシらふたりの、おかーさんです」
「この宇宙にいるのは、3体だけ、とか」
「とりあえず〜」
「ローダン――〈オフォスアピア最後の軍団〉は〈鼻王〉と呼称――は〜」
「〈オフォスアピア最後の軍団〉の、協力で〜」
「ヨツンハイム地下壕施設へ」
「が、いきなり」
「――は、鼻王さまっ」
「――コウー・ラドゥームっ」
「――うっ」
「施設への突破途上、〈オフォスアピア最後の軍団〉1名、死亡」
「――おかーさんは、遺体を食べて、産みなおすそうです」
「とかいう、経緯で〜」
「ここからは〜」
「クデルーひとりが、コウー・ラドゥームの形見の巨大ハンマーを担いで〜」
「ローダンに同行」
「と」
「ローダンとクデルーは〜」
「マンドラゴラの彫像みたいなモノと、遭遇」
「――は、はろー?」
「――ワタシは、ゴーレム」
「アンジュミスト陣営のクワントロニクスらしい」
「――細胞活性装置のインパルスを受けるまで、ここで寝て待っていたのです」
「とりあえず〜」
「ゴーレムも、1名と数えることにして」
「ローダンは、両名をともない〜」
「ヨツンハイム地下壕施設を、捜索」
「――救命艇の、格納庫?」
「――救命艇内の転送機が、受入れ側に設定されてる?」
「つまり」
「施設の緊急脱出用、ということ」
「――この転送機を起動して、転極すれば、施設中心に行ける?」
「もちろん、そうですが」
「それこそ〜」
「待ち構える、総督バヴォ・ヴェリヌの目の前で、実体化してしまう、かも」
「で」
「ゴーレムが、提案」
「――12時16分まで、待つのです」
「12時16分は、アンジュミスト総攻撃のX時」
「――混乱に乗じて、突入するのです」
流体戦艦《調停天使》――
「〈赤い宇宙の帝国〉の少女戦士は、危険な兵器」
「素材は、思春期前・限定」
「身に帯びるのは、クワントロニクス戦闘服」
「透明で四角いヘルメットには、思考物質トランスパテインがたっぷん」
「トランスパテインは、少女と戦闘服を連動させて、超兵器に変える」
「たとえば」
「――手が変形して、刃物に?」
「――腕が変形して、マシンガンに?」
「身体機能は、超高性能」
「さらに」
「トランスパテインを、摂取すると」
「――一時的に、超能力が?」
「でも」
「トランスパテインを常時補給していないと、死んでしまう」
「思春期を迎えると、トランスパテインに喰われて、死んでしまう」
「……」
「少女戦士ファラシューちゃんは〜」
「そろそろ、お年頃」
「トランスパテインに喰われる=寿命が、近づいています」
「そんな」
「少女戦士ファラシューちゃんの、心の中で〜」
「少女戦士に調整される時に消去された、過去の記憶が、ふっと」
「――死んだ、ママの……顔?」
「記憶遺伝子の情報が、自動解凍して」
「――両親は、アンジュミスト?」
「父は、アンジュミストの指導者でした」
「――お兄ちゃんが、いたような……」
「アンジュミストの作戦で〜」
「少年戦士の素材として、〈赤い宇宙の帝国〉へ供出」
「――妹も、いたような……」
「ファラシューちゃん自身が〜」
「少女戦士の素材として、〈赤い宇宙の帝国〉へ供出された、とき〜」
「――ママは、こんなこと言ったのよ」
「――あたしの方が可愛いから、だから、作戦に送り出す……って」
「心の深いところの仕掛けが、計画どおり作動」
「――あたしは、アンジュミストの道具として〜」
「――〈赤い宇宙の帝国〉に、潜入したのよっ」
「……」
「〈赤い宇宙の帝国〉のもとで〜」
「ファラシューちゃんは、全記憶を消去されて、少女戦士に」
「少女戦士ファラシューちゃん+流体戦艦《調停天使》の、初陣は〜」
「――アンジュミストの宇宙船1隻を、破壊せよ」
「――ばーん」
「撃沈したアンジュミストの宇宙船には、ママが乗っていたのです」
「……」
「かくして」
「少女戦士ファラシューちゃん」
「シンクロする、流体戦艦《調停天使》のクワントロニクスに、命令一下」
「――一般乗員を、全員排除するのよっ」
「――星系シアメドに、急行よっ」
12時16分、星系シアメド――
「〈心論会〉に接続=潜入していた、サイコゲリラ数百万名が〜」
「身体に隠していたプシトロピンを、遊離」
「仕掛けておいた、シナプス解放」
「一斉に、いろんなモノが怖いと、叫びはじめました」
「――尖ったモノが、怖いよー」
「――高いトコロが、怖いよー」
「――地震がー」
「――雷がー」
「――火事がー」
「――オヤジがー」
「――饅頭がー」
「――熱い茶がー」
「――ひー」
「〈心論会〉は、恐慌に陥り〜」
「まともな思考は、一片たりと残っていない状況に」
「〈赤い宇宙の帝国〉のクワントロニクスは〜」
「どれも、恒常的に〈心論会〉に参加していたので〜」
「どれも、すべて麻痺」
「クワントロニクスを搭載した〈赤い宇宙の帝国〉正規艦隊は〜」
「一時的ながら、全艦・操艦不能に」
「アンジュミスト艦隊は、星系シアメドに突入すると〜」
「――どどーん」
「――ばーん」
「麻痺した正規艦隊を、次々撃破」
「抗戦可能な、敵艦は〜」
「流体戦艦、わずか数隻」
星系シアメド第4惑星ウトガルド、ヨツンハイム地下壕施設――
「〈赤い宇宙の帝国〉の非常警報は〜」
「ヨツンハイム地下壕施設にも、到達」
「――救命艇の転送機が、自動起動したぞっ」
「――転送機を転極するんだ、ゴーレムっ」
「――!」
「ローダンと、クデルーと、ゴーレムは〜」
「転送機で、ヨツンハイム地下壕施設の中心部へ、突入」
星系シアメド第58惑星バタヴァト――
「アンジュミスト、トモコ・アマヤ・ヨさん、指揮のもと〜」
「10万名と、ロボットが、降下」
「――ジャーッコ・パトロ博士の〈支体房〉を、探すのよっ」
「ところが」
「指揮官トモコ・アマヤ・ヨさん」
「途中から、こっそり単独行動」
「勝手知ったる〈支体房〉に、たどりつく」
「……」
「じつは」
「トモコ・アマヤ・ヨさんは〜」
「ジャーッコ・パトロ博士の、秘密諜報機関の一員」
「本体は、この施設の〈支体房〉に置いてある」
「つまり」
「トモコ・アマヤ・ヨさん〈支体〉は〜」
「スパイとして、アンジュミストに潜入していたのです」
「が」
「トモコ・アマヤ・ヨさん〈支体〉、最近、思うに」
「――アンジュミストたちも、けっこう良いわよね?」
「――もう、わたし、充分に生きたじゃない?」
「という、ことで」
「トモコ・アマヤ・ヨさん〈支体〉は〜」
「――ジャーッコ・パトロ博士(本体)を、殺して」
「――自分(本体)も、殺して」
「――いろいろなコトを、終わらせよう」
「なんて覚悟の、単独行動」
「ところが」
「じつは」
「ジャーッコ・パトロ博士(本体)も〜」
「――もう、ワシ、充分に生きたで、なー」
「ていう、感じで」
「すでに、生への執着は、ないのでした」
「――ダモクレス効果、を知ってるか、なー」
「――宇宙終末思想の宗教とか、馬鹿にしとらんと、なー」
「――ちゃんと、考えてみた方が良いかも、なー」
「――けっきょく、なー」
「――科学者一党は、何にも成し遂げてないので、なー」
「――昔のドルーフ侵攻の頃の重積ゾーンの残滓を、維持しただけで、なー」
「――異宇宙との扉なんて、大それたモノ、造っておらん、なー」
「――ダモクレス効果、も解明できんで、なー」
「――で、なー」
「――クワントロニクスの託宣を、ヒントに、なー」
「――科学者一党は、なー」
「――ローダンを、鍵にしたら、なー」
「――通常宇宙と、再接続できるかもと、思いついて、なー」
「――ほれ、ローダンなら、ドルーフ宇宙に来た経験もあるし、なー」
「――探知が簡単な〈深淵の騎士〉のオーラ、も付いておるし、なー」
「――もとの、宇宙に帰ろうとして、なー」
「――けっきょく、なー」
「――科学者一党は、何にも成し遂げてないので、なー」
「――ところで、なー」
「――最後に、一曲、歌ってくれんか、なー」
「なんて、ジャーッコ・パトロ博士(本体)の最期の願いを、拒絶して〜」
「トモコ・アマヤ・ヨさん〈支体〉は〜」
「ジャーッコ・パトロ博士(本体)を〜」
「――ばーん」
「トモコ・アマヤ・ヨさん(本体)も」
「――ばーん」
「本体が、死んだので」
「トモコ・アマヤ・ヨさん〈支体〉も」
「――ばったり」
「……」
「トモコ・アマヤ・ヨさんの戦闘服の、クワントロニクスは〜」
「友軍に、簡潔な通信を送る」
「――パトロとトモコ、死亡」
星系シアメド第4惑星ウトガルド、ヨツンハイム地下壕施設――
「ローダンと、クデルーと、ゴーレムは〜」
「施設の奥で、総督バヴォ・ヴェリヌ2名と、ばったり」
「一方は、ちょいと調子がマトモでない〈支体〉――個体名コルキー」
「一方は、マトモな総督バヴォ・ヴェリヌ」
「ローダンは、マトモな総督バヴォ・ヴェリヌと、対峙して〜」
「総督バヴォ・ヴェリヌが語る、通常宇宙侵攻の動機を、聞いてみる」
「――通常宇宙に、戻って〜」
「――M87銀河の水晶惑星モノルに、おもむいて〜」
「――〈中枢部の建造者〉のバイオ物理学的ハイパー再生を、使ってみたい」
「ローダン」
「――(そんなに、長生きしたいのか)」
「と、感じつつ、思わずツッコミをいれたり」
「――水晶惑星モノルは、ホワルゴニウムであろう?」
「――ハイパー物理学的抵抗の影響で〜」
「――ハイパー水晶は、みんなダメなのでは?」
「総督バヴォ・ヴェリヌは〜」
「――うるさいっ」
「――水晶惑星モノルは、ホワルゴニウムだけで、出来ているのはないっ」
「――ネオ・ホワルゴニウムが、混ぜてあるはずだっ」
「まあ、思いこみ、なのでしょうが」
「もう少し、総督バヴォ・ヴェリヌが語る動機を、聞いてみましょう」
「――17年前――」
「――LGK9098――〈赤い宇宙〉の銀河カタログ番号――銀河に〜」
「――クワントロニクス探査船を派遣した際の、映像だ」
「――大規模な宇宙航行文明が、繁栄する〜」
「――立派な銀河……だった」
「突然」
「投影された星々が、輪郭をなくして」
「――ふっ」
「消えました」
「総督バヴォ・ヴェリヌ、続けて曰く」
「――こうして、知るかぎり45の銀河が消滅したのだ」
「――それぞれ、わずか半秒なのだ」
「――見せた映像は、これでもスローモーションなのだ」
「――これが、ダモクレス効果……なのだが」
「――アンジュミスト連中は、信じようとせぬっ」
「総督バヴォ・ヴェリヌ、さらに曰く」
「――かつて、〈赤い宇宙〉の時間軸は〜」
「――通常宇宙の時間軸と、反対を向いていた」
「――両宇宙の接触で〜」
「――〈赤い宇宙〉の時間軸は、上書きされて〜」
「――逆向きに、なってしまった」
「――でも」
「――時間は、独立した要素ではなくて〜」
「――空間や重力や質量と、不可分に結びついている」
「――永遠には続かない」
「――近い将来、〈赤い宇宙〉の銀河は、すべて消えて〜」
「――〈赤い宇宙〉は、ぱちん、と弾けてしまうのだ」
「――残り時間は、計算不能なのだが〜」
「――〈赤い宇宙〉には〜」
「――超知性体も、いない」
「――コスモクラートも、カオタークも、干渉しない」
「――高次勢力は、干渉する価値を認めていないのだっ」
「総督バヴォ・ヴェリヌ、肩を落として」
「――新天地の、はずが〜」
「――〈赤い宇宙〉は、とんだ落とし穴だった、というわけだ」
「総督バヴォ・ヴェリヌ、ローダンを、散歩に誘い〜」
「大樹を、見上げ〜」
「さらに展望を、語ろうとしますが」
「――!」
「クデルーが、ふたりの対話の世界に割りこんで」
「――ばーん」
「クデルー、激闘」
「コルキーとマトモな総督バヴォ・ヴェリヌ2名を、殺害」
「ローダンは、現実に引き戻されます」
「――もちろん、死んだ総督バヴォ・ヴェリヌは〈支体〉だな」
「――ゴーレム、〈支体房〉はどこだ?」
星系シアメド第4惑星ウトガルド、ヨツンハイム地下壕施設――
「ローダンと、傷ついたクデルーは〜」
「〈支体房〉設備の前に、立ち〜」
「液体に漬かった、年老いた総督バヴォ・ヴェリヌ(本体)と、対面」
「ローダン、曰く」
「――もう、引退したら、どうかね?」
「総督バヴォ・ヴェリヌ、応じて曰く」
「――オマエサンに、言われたくないわいっ」
「クデルーは、ハンマーで〈支体房〉設備に、殴りかかろうとします」
「その時〜」
「まさかの、総督バヴォ・ヴェリヌの反撃」
「〈支体房〉に漬かった、総督バヴォ・ヴェリヌの手が〜」
「――手が変形して、槍に?」
「――クワントロニクス武装?」
「――しゅんっ」
「――クデルーっ」
「総督バヴォ・ヴェリヌのクワントロニクス武装は〜」
「クデルーの脳天を、さっくり串刺し」
「それでも〜」
「――ごんごんごん」
「ハンマーに叩かれ、〈支体房〉設備にヒビが入る」
「総督バヴォ・ヴェリヌは、液体からむっくり上体をおこし〜」
「ローダンの方を、向いて〜」
「――しゅんっ」
「常人には躱しようのない速度で、クワントロニクス武装の槍を、繰り出す」
「が」
「――しゅんっ」
「――がし!」
「ローダン、とっさに片手で槍の穂先をつかみ、受け止めたり」
「――クワントロニクス武装?」
「今度は、総督バヴォ・ヴェリヌが、驚く順番」
「ローダンが気がつけば〜」
「左頬が黄金色に光って、けっこう熱い」
「――まさか?」
「そこは〜」
「以前、少女戦士ファラシューちゃんに、捕獲された時〜」
「超平手打ちを喰らった、まさにその場所」
「――あのとき、クワントロニクス武装の一部が、付着したのか?」
「トランスパテインは〜」
「少女戦士に数々の奇蹟をなさしめる、超物質」
「思えば〜」
「〈心論会〉で、〈赤い宇宙の帝国〉の派遣員タメルに襲撃されたときも〜」
「――このクワントロニクス武装が、助けになったのか?」
「……」
「じつは」
「この、超平手打ち」
「少女戦士ファラシューちゃんの、〈赤い宇宙の帝国〉潜入時点から〜」
「アンジュミストのクワントロニクスが、予見していた計画だったとか」
「……」
「ともあれ」
「総督バヴォ・ヴェリヌ(本体) VS ローダン」
「クワントロニクス武装 VS クワントロニクス武装」
「総督バヴォ・ヴェリヌの手槍が〜」
「――しゅんっ」
「ローダンの左頬が、みょーんと広がって、楯を形成」
「――がしっ」
「ローダンの手は、クデルーのハンマーをつかんで、〈支体房〉設備を」
「――ごんごんごん」
「で」
「――しゅんっ……がしっ」
「――ごんごんごん」
「――しゅんっ……がしっ」
「――ごんごんごんごごごごんっ」
「――ばーん」
「〈支体房〉設備は、砕け散り〜」
「総督バヴォ・ヴェリヌ(本体)、死亡」
「……」
「かくして」
「本体が、死んだので」
「総督バヴォ・ヴェリヌ〈支体〉は、すべて」
「――ばったり」
「宇宙間転移門の部品をしていた、バヴォ・ヴェリヌ〈支体〉も」
「――ぱったり」
星系シアメド、〈赤い宇宙の帝国〉正規艦隊――
「遊弋中の、女将軍ジョハリ・イファマの戦艦《栄光未来》」
「艦上には、女将軍ジョハリ・イファマの〈支体房〉があります」
「そこへ〜」
「少女戦士ファラシューちゃんの、流体戦艦《調停天使》が、接近」
「女将軍ジョハリ・イファマは、最期の瞬間まで、知りませんでしたが〜」
「これは、いわゆる特攻でした」
「……」
「流体戦艦は〜」
「超強力な、飛ぶ武器庫」
「でも、忘れてならないのは〜」
「流体戦艦自体が、超強力な爆弾のようなもの」
「……」
「流体戦艦が、変形・膨張」
「――パトロ=ロットっ」
「少女戦士+流体戦艦の、超自爆装置パトロ=ロットの発動で〜」
「直径1光秒の、あらゆるものが消滅」
「女将軍ジョハリ・イファマも〜」
「戦艦《栄光未来》も〈支体房〉も〜」
「――!」
星系シアメド、第16惑星ドルーフォン――
「〈赤い宇宙の帝国〉国営放送のサキスター・リープヒェン、報じて曰く」
「――〈赤い宇宙の帝国〉の三頭支配者は、全員死亡」
「――〈赤い宇宙の帝国〉の元帥のひとりが、無条件降伏を宣言しました」
「――〈赤い宇宙の帝国〉は、潰えたのです」
「……」
「〈赤い宇宙の帝国〉の首都惑星ドルーフォンでは〜」
「恐怖政治の、終焉」
「帝都ライデン・シティ――墜落した残骸のおかげですっかり荒廃――は〜」
「ドルーフ船団の、監視下に」
「〈赤い宇宙の帝国〉が滅亡した、いま〜」
「アンジュミストたちとドルーフ種族が、新しい国家を建設することでしょう」
星系シアメド第4惑星ウトガルド――
「作戦完了の一報を、うけて〜」
「ドルーフ艦《昼と早晩277号》が、到着」
「ローダンは、頭の中、ぐるぐるです」
「――都市ミュンヘンのイザー博物館で〈窓〉=〈時碇〉が開いて〜」
「――〈赤い宇宙〉から、〈反逆者〉との戦いを支援しましょう」
「――エルンスト・エラートにも、会えるかも」
「――とか、誘われて、来てみれば〜」
「――〈赤い宇宙の帝国〉の正史が、あーもあろ?」
「――アンジュミストから聞いた歴史が、こーもあろ?」
「――〈心論会〉が、そーもあろ?」
「――総督バヴォ・ヴェリヌの最後の話=ダモクレス効果は、どこまで本当?」
「――アイツ、いったい、何したかったんだよー」
「――うー……もう何も、わからねーっ」
「手にしているのは、金色の砂時計、のようなもの」
「モバイル・クワントロニクス〈エレミア〉、曰く」
「――ソレは、十全に機能する、〈心論会〉の複製です」
「――時がほとんど止まっていますが、一個の宇宙です」
「――お願いします」
「――ソレを、通常宇宙に運んでください」
「ローダンは、頭の中、ぐるぐるですが」
「――つまり」
「――コレは、〈赤い宇宙〉を逃げ出すノアの箱船、ってこと?」
「あるいは」
「パンドラの箱、かもしれませんが」
「……」
「ローダンは〜」
「――これで、帰れるぞ」
「と、思ったのですが」
「モバイル・クワントロニクス〈エレミア〉、曰く」
「――そういえば、もうひとつ、約束が残っていました」
「で」
「ローダンは〜」
「過去のミュンヘンから呼ばれた男と、対面」
「――えーと……どなたでしょう?」
「――キミに、この金色の砂時計を、授けよう」
「……」
「こうして」
「エルンスト・エラートという、男は〜」
「西暦1971年6月7日〜」
「ミュンヘン市街のイングリッシュガーデンで〜」
「奇妙な体験を、したわけで」
「それ以来〜」
「じつは、時間旅行の理論が、わかってしまって」
「未来の出来事を、見ることができるように」
「と」
「このへんは、皆さん、すでにご承知のはずの話です」
「……」
「かくして」
「ローダンは、最後の大任を全うし〜」
「ジャーッコ・パトロ博士の研究施設の、小型宇宙間転移門経由〜」
「ローダンは、通常宇宙へ」
「新銀河暦1344年の通常宇宙、都市ミュンヘンのイザー博物館に、到着」
「〈赤い宇宙〉では〜」
「あんなにいろいろ、あったのに〜」
「戻ってみれば、一瞬の出来事だったという」
西暦1971年、惑星テラ、スイス――
「ひとりの男が〜」
「列車に、揺られて〜」
「スイスのチューリッヒ、ホッピンガー・キー銀行へ」
「金色の砂時計を〜」
「7通の指示書――5年ごとに、開封するように――と一緒に、預けます」
「――地下5km以下の地底に、収納庫を建設すること」
「――コレだけを収納して、他のモノは入れないこと」
「――作業が終わったら、関係書類を破棄すること」
「――終わったら、ボクの口座は解約……残金はアナタに差し上げます」
「――地下収納庫の建設期限は、2437年です」
「――えーと」
「――大丈夫、アナタたちが、やり遂げてくれるのは、ちゃんと見ています」
「――時間を超えて、感謝です」
「――by、エルンスト・エラート(作家)」
「で」
「時は、流れ〜」
「ペリー・ローダンが第三勢力を、建国して〜」
「財務相ホーマー・G・アダムズのGCCは、この銀行を買収・経営統合」
「ビューフィンガー・スピールモント・ホイッスラー社の一部に」
「で」
「時は、流れ〜」
「エルンスト・エラートは、大怪我たり、失踪して」
「で」
「時は、流れ〜」
「西暦2437年――」
「ドランの攻撃で、太陽系帝国は国土荒廃」
「チューリッヒも、焼け野原」
「銀行の過去の業務を知るものは、もう誰も生きてはいません」
「で」
「時は、流れ〜」
「新銀河暦1344年――」
「自由テラナー連盟政庁首席ペリー・ローダンは〜」
「〈赤い宇宙〉で、夢とも思える体験をして、帰ってきて」
「真っ先に、駆けつけたのが」
「財務政庁大臣ホーマー・G・アダムズのところ」
「――コペルニクスの科学者の妙な依頼を、断ったか?」
「――はい……少し前に」
「少なくとも、すべてが夢ではないようです」
「で」
「金色の砂時計は、まだチューリッヒの地下に、あるのでしょうか」
「もし」
「あの時、ローダンが聞いた話が、真実として〜」
「未来が純粋精神の世界になる、のだとしたら〜」
「ここには、純粋精神の世界の先駆である〈未来の砦〉が〜」
「その遠い未来を、待っているのでした」
□ Perry Rhodan-Action
[ http://www.perry-action.de/ ]
29 . Verena Themsen / Das Wanderer-Backup / ワンダラー・バックアップ
30 . Hans Kneifel / Das dunkle Korps / 闇ミュータント部隊
31 . (作者未詳) / Das Erbe des Divestors / 能力剥奪者の遺産
32 . (作者未詳) / Eismond Iridul / 氷衛星イリドゥル
33 . (作者未詳) / Zwischen 42 Welten / 42惑星の間
34 . (作者未詳) / Kind des Asteroiden / 小惑星の子
35 . (作者未詳) / Zielpunkt Physiotron / 標的ヒュジオトロン
36 . (作者未詳) / Sonnenda"mmerung / 星々のたそがれ
活劇主体の企画物ヘフト・シリーズ。
第3部 Wega-Zyklus / ヴェガ篇 の第5話。
□ Perry Rhodan-Action 29話「ワンダラー・バックアップ」
[ http://www.perry-action.de/cgi-bin/heft_zyklus_3.pl/5.html ]
西暦2169年7月――
「サクオラ――フェロン人の超能力テロリスト」
「連合帝国の首都テラニアの一角は、灰燼と帰し〜」
「――サクオラめっ」
「ミュータント部隊から、とか〜」
「金星のクレスト・ミュータント学校から、とか〜」
「超能力者を、勧誘したり、誘拐したり」
「――サクオラめっ」
「連合帝国大執政官ペリー・ローダンは〜」
「金星の、古代アルコン要塞に、追いつめたつもりが〜」
「捕えられ、スペースジェットで、星系ヴェガへ」
「……」
「途上」
「ローダンは、意識をなくしたまま」
「でしたが」
「――はっ」
「――ここは……手術台の上?」
「――うわ……胸郭を開かれて、手術されてるよー」
「という、悪夢なんだか、現実なんだか」
「おぼろげに、記憶に刻まれたり」
西暦2169年7月6日――
「調度の整った宿舎、のようなトコロで〜」
「――はっ」
「ローダン、覚醒」
「――オ目覚メデスカ?」
「世話してくれるロボットの名前は〜」
「――SMSR=08R15SN8937、デス」
「――面倒だから、サムと呼ぼう」
「どうやら〜」
「4日間、意識を失っていたようです」
「――むー」
「奇妙な記憶が、2つ」
「――胸郭を開かれて、心臓手術されてた?」
「――超存在〈それ〉の〈永遠の生命の星〉ワンダラーを、再訪してた?」
「夢か現実か、よくわからない」
「とりあえず」
「世話ロボット・サムに、あれこれ聞いてみましょう」
「――同行なしに、部屋から離れてはなりません?」
「――そもそも、この戸は外からしか、開かない?」
「――ここは……?」
「――宇宙ステーション《ワンダラー・バックアップ》?」
「もっと、聞いてみましょう」
「――《ワンダラー・バックアップ》には?」
「――転送機とハイパー通信機は、あるのだな?」
「――居住施設から、点検シャフトが伸びている?」
「――でも、防御バリアで、塞いである?」
「なんて、やっていると」
「フェロン人超能力者、サクオラの立体映像が、出現」
「――金星の古代アルコン要塞の一件は、貴官を捕える罠だったのだ」
「――わはは」
「さらに」
「――あれこれ考えても、逃げられはせぬっ」
「――《ワンダラー・バックアップ》を、ぐるりと見せてやろう」
「……」
「あらわれた、案内役は〜」
「フェロン人超能力者、サクオラ」
「テレパス、エヴァ・マチェクさん――当地では、サクオラの右腕」
「アムリトラジ・ムトゥ」
「ヒュプノ、アーネスト・キンデマー」
「テレポーター、タコ・カクタ」
「で」
「まず」
「ローダンとして、聞いてみたいのが」
「――タコ……どうして、敵方に寝返ったのだ?」
「サクオラ、代りに回答して曰く」
「――3K職場なのに、給料が安かったのでは?」
「信じられない、と思う、ローダンですが〜」
「テレポーター、タコ・カクタ、黙して語らず」
「次に」
「ローダンとして、聞いてみたいのが」
「――サクオラ……わたしに、何か手術とか……?」
「サクオラ、素直に、したぞ、と肯定」
「――ここへ来る時、ステーション底部の機器に、トラブルがあったのだ」
「――貴官は死にかけて、手術で一命をとりとめたのだ」
「信じていいものか、と思う、ローダンです」
「そうして」
「一行は、宇宙ステーション《ワンダラー・バックアップ》を、ぐるぐる」
「転送機を、抜けると〜」
「――ロボット猛獣が闊歩する、森?」
「――人工的に複製された、密林、瀑布、海洋?」
「――まさか……遠くに見えるのは?」
「どうやら、ここは〜」
「超存在〈それ〉の、人工惑星ワンダラーを、真剣に模して建造されたらしい」
「遠く見える、人工物の集積は〜」
「人工惑星ワンダラーの機械都市の、正確なミニチュアらしい」
「そうして」
「一行は、本日のツアーの目的地=ヒュジオトロンの塔へ、到着」
「ローダン、驚愕」
「――ヒュジオトロン?」
「相対的不死をもたらす超技術装置が、本当にあるのでした」
《ワンダラー・バックアップ》、ヒュジオトロンの塔――
「このヒュジオトロンは〜」
「どうやら、本物を真似て組み立てた、実験機のようです」
「首席科学者ウリヴァウェ・ムネロサルクは〜」
「ローダンの組織標本を、採取して、分析して」
「――ふむふむ」
「サクオラは〜」
「ローダンの細胞活性装置を、取り上げて、分析に回して」
「――ふむふむ」
「サクオラも〜」
「ローダンの長男トマス・カーディフの悲劇的伝説は、知っています」
「――貴官の細胞活性装置を奪って身につけると死ぬ……のだったか?」
「自分で身につけようとは、さすがにしない」
「――だが、こうすれば、どうだっ」
「ローダンの細胞活性装置を〜」
「このヒュジオトロンに、一時的に組み込んで〜」
「――被験体を、連れてくるのだっ」
「連行されたのは〜」
「アンデルセン曹長――金星で捕虜になった、連合帝国艦隊の陸戦隊隊員」
「ローダンは〜」
「――(やめさせなくてはっ)」
「誰もが、実験に注目する中〜」
「テレポーター、ケンドリッヒ・ハイザルの不意を、突き〜」
「銃を奪って、サクオラを」
「――ばーん」
「でも」
「テレポーター、タコ・カクタが、身を楯にして、サクオラを守る」
「テレキネシス能力者、ナーロンが介入して〜」
「ローダンを、瞬時に武装解除」
「――やめるんだっ」
「が」
「アンデルセン曹長は、偽ヒュジオトロンに、入り〜」
「――ぎゃー」
「オソロシイことになったところを、サクオラが射殺」
「実験は、失敗です」
《ワンダラー・バックアップ》、居住区画――
「ローダンは、丁重に部屋まで連れ戻されます」
「テレポーター、タコ・カクタが、細胞活性装置を返しに来たので〜」
「ローダンとして、もう1度、聞いてみたいのが」
「――タコ……どうして、敵方に寝返ったのだ?」
「――3K職場なのに、近隣住民に嫌われるからです」
「信じられない、と反駁する、ローダンですが〜」
「テレポーター、タコ・カクタ、テレポートして姿を消す」
「……」
「翌朝――」
「サクオラが、ローダンを来訪」
「秘密を明かして、自分の優位性を誇示」
「――超能力者の超能力を、〈剥奪〉できるのだ」
「――〈剥奪〉した超能力を、部分的に超能力者に返すこともできる」
「――その時、オマケとして吾輩の意志を、押しつけることもできる」
「――これが、タコが寝返った真相だ」
「――わはは」
「さらに、優位性を誇示」
「――一度に〈剥奪〉できる超能力は、ひとつではない」
「――一度に、3つだ」
「――わはは」
「さらに、こんな主張も」
「――フェロン人は、超存在〈それ〉の正当な後継者である」
「――なのに、テラナーに横取りされたのだ」
「――本当は、5次元的思考だって可能だぞ……吾輩のように」
「――わはは」
2日後――
「あらわれた、救いの天使は〜」
「テレパス、エヴァ・マチェクさん――サクオラの右腕……のはず」
「――つまり?」
「――ミュータント部隊の古株、アンドレ・ノワールが?」
「――ヒュプノ・ブロックを、かけておいた?」
「ローダンと会ったら作動する仕掛け、とかいう」
「かくして」
「逃走開始」
「――使っていない転送機が何台か、あるのですっ」
「――さあっ」
「で」
「《ワンダラー・バックアップ》縦断耐久レース」
「途上」
「追撃する、サクオラ配下の超能力者たち」
「襲いかかる、ジャングルのロボット猛獣」
「飛来する、ピグミー族の毒矢」
「で」
「転送機ホールに、到達」
「――その1台を、起動させてくださいっ」
「――さあっ」
「テレパス、エヴァ・マチェクさんは、追手を迎撃」
「ローダンは、転送機を起動」
「で」
「――逃げるぞっ」
「ローダンは、エヴァ・マチェクさんに、手をさしのべますが〜」
「転送機の送出フィールドに捕えられ、自分だけ」
「――ひゅん」
《ワンダラー・バックアップ》、転送機ホール――
「テレパス、エヴァ・マチェクさんは〜」
「息もたえだえで、床に横たわっています」
「と」
「サクオラ、到着」
「テレパス、エヴァ・マチェクさんを助け起こして、曰く」
「――ご苦労であった」
「――かくして、ローダンは敵陣からの脱出に成功、ということだな」
「――せっかく播いた種だし、大きく育つと良いよなあ」
「――わはは」
□ Perry Rhodan-Heft
2489 . Michael Marcus Thurner / Schach dem Chaos / 混沌に王手
2490 . Wim Vandemaan / Die dunklen Ga"rten / 日陰の庭
2491 . Christian Montillon / Der dritte Messenger / 3番目のメッセンジャー
2492 . Uwe Anton / KOLTOROC / コルトロク
2493 . Leo Lukas / Der WELTWEISE / 世界賢
(途中不詳)
2500 . Robert Feldhoff / Die fernen Sta"tten / 彼方の地
□ Perry Rhodan-Heft 2489話「混沌に王手」
[ http://www.perry-rhodan.net/produkte/hefte/1/2489.html ]
新銀河暦1347年、ハンガイ銀河――
「ここでは、目下〜」
「〈混沌の勢力〉が、〈負の球体〉を建設中」
「ハンガイ銀河は、〈塁壁〉に囲まれ〜」
「周囲も内部も、終末戦隊〈反逆者〉が、うようよ」
「ハンガイ銀河の中心部は、〈核壁〉に囲まれ〜」
「〈負の球体〉の中核施設〈グローイン反逆者〉の建造が、急ピッチ」
「対する〜」
「周辺住民は、〈負の球体〉建設反対運動」
「ペリー・ローダン指揮下、突撃艦隊アルケティムと〜」
「意識集合体〈ニュークリアス〉と〜」
「〈法〉付与機《ケオス・タイ》は〜」
「〈核壁〉内へ」
「ローダンの息子カンティランが指揮する〜」
「〈平和ドライバー〉のオレオン・カプセル〈緑団〉2500隻も〜」
「〈核壁〉内へ」
「途中、合流した〜」
「カルタン人、ダオ=リン=ヘイさんが、実質指揮官の〜」
「ハンガイ銀河遠征隊+《ソルセル=1》+《ソルセル=2》も〜」
「〈核壁〉内へ」
ハンガイ銀河、〈核壁〉内、待ち合わせ宙域アルファ――
「ローダンの指示、のもと〜」
「ダオ=リン=ヘイさん、指揮下〜」
「《ソルセル=1》+《ソルセル=2》は〜」
「――〈グローイン反逆者〉を、探索よ」
「――先行突入している《ソル》中央艦体も、捜索よ」
「ところで」
「〈平和ドライバー〉のオレオン・カプセル〈緑団〉2500隻は〜」
「――充満する〈振動プシ〉のおかげで、操船が巧くいかないよなー」
「――3番目のコスモ・メッセンジャーが、〈核壁〉を抜けてくれたらなー」
「――物理法則が、少しまともになってー」
「――探知装置とか、もう少し機能するだろうけれど」
「とか、活動不能」
「そこで」
「〈平和ドライバー〉指導者カンティラン、頼んで曰く」
「――〈平和ドライバー〉エジュ・メリアさんを〜」
「――《ソルセル=1》に、客人として乗艦させてください」
ハンガイ銀河、〈核壁〉――
「3番目のコスモ・メッセンジャーは〜」
「――ごんごんごごん」
「相変わらず、〈核壁〉を抜けられない」
「でも」
「〈核壁〉を一時的に通行可能としていた、ハイパー振動は〜」
「そろそろ、終息の気配」
「……」
「地元カルタン人、ログ=アエル=ミンさんの指揮、のもと〜」
「地元の抵抗運動組織〈ノクアー=カンサハリーヤ〉の艦隊」
「通称、ウルトラ艦隊1万6000隻が〜」
「〈核壁〉突破を、敢行しようという」
「ところで」
「カルタン人は〜」
「充満する〈振動プシ〉の影響で、各種超能力、発現中」
「中でも〜」
「〈振動チーム〉とされる、超能力カルタン人は〜」
「――〈振動プシ〉があっても、方向がわかるのよねー」
「ウルトラ艦隊の、操艦の要です」
「で」
「ウルトラ艦隊は、〈核壁〉を突破……したのですが」
「――1800隻、足りない?」
「しかも、直後に」
「――〈反逆タンク〉3部隊が、接近?」
「――ようし、新型NKH砲を試す、絶好の機会だわっ」
「――戦闘開始よっ」
「――どどーん」
「でも」
「新兵器の効果は、それほどでも」
「逆に」
「――〈反逆タンク〉3部隊の、一斉砲撃?」
「――ひー」
「――て……撤退よっ」
「ウルトラ艦隊は、〈核壁〉を逆走しようと……したのですが」
「〈核壁〉のハイパー振動、沈静化傾向、著しく」
「――通行不能?」
「退路を断たれ、前方には迫る敵」
「――〈反逆タンク〉3部隊の、集中砲火?」
「――ひー」
「ウルトラ艦隊は、やられる一方」
「そこへ」
「《ソルセル=1》、到着」
「――どどどどーん」
「ウルトラ艦隊と共同戦線を張り、〈反逆タンク〉3部隊を撃退」
「で」
「《ソルセル=1》に同乗していた、カルタン人ダオ=リン=ヘイさんは〜」
「ウルトラ艦隊指揮官、ログ=アエル=ミンさんに、曰く」
「――ウルトラ艦隊の残存艦1万800隻を〜」
「――ローダンの指揮下に、お入れなさいっ」
「ウルトラ艦隊指揮官、ログ=アエル=ミンさん、しぶしぶ肯いたり」
「……」
「ところで」
「ウルトラ艦隊に必須の〈振動チーム〉ですが」
「――1万名以上、いて?」
「――ウルトラ艦隊の艦ごとに、2名も3名も、いる?」
「ならば」
「ダオ=リン=ヘイさんは、考える」
「――〈振動チーム〉の余剰人員を?」
「――オレオン・カプセルに派遣する、というのは、どうかしら?」
《ソルセル=1》艦内――
「客人〈平和ドライバー〉エジュ・メリアさんは、見た」
「――あれは……〈弦特使〉が1体?」
「――極秘裏に、ウルトラ艦隊を監視しようと?」
「〈平和ドライバー〉エジュ・メリアさん、早速〜」
「ダオ=リン=ヘイさんに、報告しようとします」
「――あのー」
「――忙しいので、後にしてくださる?」
「――う」
「いきなり拒絶された、〈平和ドライバー〉エジュ・メリアさん」
「考えるに」
「――ウルトラ艦隊指揮官、ログ=アエル=ミンさんも?」
「――ダオ=リン=ヘイさんも?」
「――まさか、お二人とも〈弦特使〉の影響下に?」
「そこで」
「〈平和ドライバー〉エジュ・メリアさんは〜」
「ダオ=リン=ヘイさんが、ローダンに帰還予定を報告する〜」
「その、ハイパー無線に、割りこんだ」
「――あのー」
「――通話中なので、後にしてくださる?」
「――う」
「やはり拒絶された、〈平和ドライバー〉エジュ・メリアさん」
「でも」
「……」
「ハイパー無線の向う側では〜」
「ローダンとカンティランが、異変を察知」
「――〈平和ドライバー〉エジュ・メリアさんて、間の悪いコなの?」
「――ウチでは一番、節度とタシナミに秀でたコなんですけどねー」
「――《ソルセル=1》艦内で、何かあったとか?」
「――何が、あったんでしょう?」
「――(いろいろと、コワい想像)」
「――最悪の場合を、想定するのだっ」
「かくして」
「待ち合わせ宙域アルファでは、警戒警報が発令されたという」
待ち合わせ宙域アルファ、〈法〉付与機《ケオス・タイ》――
「意識集合体ニュークリアスは〜」
「代表者ファウン・スズケさんを、派遣」
「ローダンに、曰く」
「――意識集合体ニュークリアスは〜」
「――これより、〈法〉付与機《ケオス・タイ》の奥に身を潜め〜」
「――気配を殺して、敵の超知性体コルトロクを、待ちます」
「――意識集合体ニュークリアスの残エネルギーは、もうギリギリです」
「――だから、奇襲一撃に、すべてを賭けるのです」
「――好機と見たら、合図をください」
「と、ローダンに、カプセル型通信機を託して」
「さらに、曰く」
「――敵の超知性体コルトロクは、〈弦特使〉経由で〜」
「――〈法〉付与機《ケオス・タイ》の、コトも」
「――泉快速艇《ルーマイトロン》の、コトも」
「――異宇宙の〈力強き者〉と〈播生素〉の、コトも」
「――こちらの手の内は、すべてお見通し」
「――警戒する理由も、ないでしょう」
「――だから……かならず来るはずです」
11月7日、待ち合わせ宙域アルファ――
「《ソルセル=1》+ウルトラ艦隊が、到着」
「と」
「突然」
「〈法〉付与機《ケオス・タイ》、格納庫に〜」
「おぼろ黒いモノが、出現」
「敵の超知性体コルトロク、です」
「同時に」
「無数の巨大昆虫〈弦特使〉が、出現」
「泉快速艇《ルーマイトロン》と、積載した〈播生素〉に、群がります」
「待ち合わせ宙域アルファは〜」
「影に、覆われ〜」
「乗員たちは、行動の自由が一切効かない」
「ローダンも、カプセル型通信機のボタン一押しが、できません」
「とはいえ」
「そこは、ローダン」
「――あ」
「蹴つまずいた、はずみで」
「――ぽち」
「かくして」
「突然」
「それまで気配もなかった、意識集合体ニュークリアス、出現」
「――!」
「――ばばばっ」
「プシオン的な稲妻的なモノを〜」
「敵の超知性体コルトロクに、直接、撃ちこむ」
「――ぎぇぇぇぇぇっ」
「乗員たちの、心に忘れられない絶叫を残して〜」
「敵の超知性体コルトロクは〜」
「傷ついて、弱って、逃走したのでした」
「……」
「意識集合体ニュークリアスは〜」
「ローダンに、曰く」
「――今回の成功は、奇襲効果の賜物です」
「――敵の超知性体コルトロクが回復するまでの時間を〜」
「――無駄にしないでください」
【関連サイト】
・出版社が運営するドイツ公式サイト
[ http://www.perry-rhodan.net/ ]
・他、関連サイトはこちらを参照
[ http://www.rhodan.jp/ ]
◆今回のひとこと
アンジュミストは、クラース・アニューム氏の信奉者=アニューミスト。
語源と訳語は、難しいですね。
d-information ◆ 561 [不定期刊] 2009/05/04
発行:y.wakabayashi /rlmdi [ yw@rlmdi.org ]
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