
星の荒野と化した局所銀河群をさすらうペリー・ローダンら「タルカン艦隊」。
クロノパルス・ウォールに閉ざされた故郷銀河系への道を捜しもとめる途上、
ブラックホールの事象の地平の彼方で「過去創造の支柱」を発見したローダンは、
ついに銀河系の支配者と遭遇する。
700年前の戦乱の時代、いずこからともなく局所銀河群に出現した
サイボーグ種族〈カンターロ〉....!
そして今、ペリー・ローダンは再び銀河障壁に挑む。
「障壁破り」として....

「アドヴォクは銀の髪の老人と会見したし」謎の男アドヴォクは、アトランを「カンターロのクローン」と思い込み、己の素性を明かそうとしない。異常な状況下での追跡行は、カンターロの廃棄されたクローン工場惑星で終焉を迎える。最後の試練「水の歌」をクリアしたアルコン人を、アドヴォクもついに真のアトランと認めた。また同時にアトランも、謎の男の正体を理解していた。アドヴォクとは、アドヴォカート----弁護士----の略語なのだ。かれはフランス革命時代の弁護士を偽名とする男。すなわち、ロワ・ダントン!
「自由商人」とかれらは自称していた。ダントンとロナルド・テケナーに率いられたワリンジャー・コマンド。その本星の名もフェニックス。不死鳥のように蘇る人類の希望の象徴。ところが、レノ・ヤンティルをリーダーとする〈ドレイク機構〉が、ワリンジャーの遺産、未完の〈パルス整流器〉の即時投入をもとめて反乱を起こした。等しい目標を抱くギャラクティカー間の内乱は、アトランの機転と、まさに好機をとらえて帰還した《シマロン》のローダンによって、最悪の状況にいたる前に鎮圧された。
フェニックスの法廷によって追放の判決をうけたドレイキストたちは、みずからの名誉を回復すべく、数少ない銀河障壁外コロニーのひとつ惑星コカに侵入。そこで得られた手がかりは、近く情報売買のため、ある星域にカンターロの船が到来することを明らかにした。フェニックスに通報が飛び----出現した永遠の船を迎えたのは、自由商人の砲火だった。
不時着したカンターロ艦《バルシェーバ》へと自由商人たちはくりかえし突入を試みるが、その都度自動機構の迎撃に退却の憂き目をみていた。かれらを翻弄する知謀の主はただのひとり----カンターロのダールショル! ドレイキストの知恵袋ペドラス・フォックとグッキーの決死の計略によってようやく捕らえられたダールショルは、どこから見てもテラナー。しかし、かれはドロイド。強大な力を内に秘めたかれが降伏した理由はただひとつ。《バルシェーバ》に代わる船が必要なのだ。
「わたしは銀河系にもどらねばならぬ!わが体内に秒を刻む時計があり、わが生命は、帰還の成否にかかっているのだ!」

ハンガイ・カルタン人の末裔〈カラポン帝国〉のM−33侵攻軍提督フェング・ルー。
「本艦に〈モトの真珠〉があるはずだ!」伝承者の旗艦に不案内なカラポン・コマンドを計略を用いて撃退したダオ・リンだが、その心にはモトの真珠の名がしっかりと刻みこまれていた。そう、その名はイホ・トロトがM−87で出会った「ミモトの宝玉」にあまりに酷似している....。
カラポン人の活動は意外な場所でも展開されていた。《モノセロス》1隻が監視者としてとどまるX−ドア星域。突如出現した数隻のトリマラン艦は、カラポン人のコマンドを残骸の墓場----《バジス》パーツ群へと派遣した。猫族は、人類最大の船の再建を試みんとしている! やはり《バジス》再構築のためフェニックスから急行してきた《シマロン》によってトリマラン艦隊は敗走するが、数十人のカラポン兵士が未発見のままとなった。
X−ドア星域にとどまった《シマロン》では、サトー・アンブッシュの手で《バジス》再建のための決定的フェーズが進められていた。ルナのネーサンと並び、唯一パーツ群統合の能力を持つハミラー・チューブの修復である。そしてパラ現実の力を借りて狂気の除去に成功した時、予想外の事実が判明する----《バジス》分解はネーサンの指令で発動されたというのだ! 密使の役割を担ったヴァリオ−500は650年前、オリンプでのカンターロ会談の際、破壊された....。ルナの大頭脳はテラの敵に回ったのか?
ついに開始された《バジス》再建。ハミラーの張りめぐらした力場がパーツ群を正しい配列に直し、魔法のように連結していく。並行して、グッキーはカラポン兵団の捜索を進め、指揮官ファング・トロクを捕虜にした。カラポン人がなぜ《バジス》に関心をしめしたのか、その一端もわかった。カラポン皇帝の持つ、モトの真珠が原因らしい----。かくして1144年1月上旬、人類の誇り《バジス》は、再びその威容を大宇宙に現わしたのだった。

ヒューマニドローム----それは、ロクフォルトの衛星軌道をめぐる壮大なステーション。やがて成長したホルムは、父の盟友エンデハル・ロフの指導のもと、父の遺志を継ぐべく奔走する。
....そして新銀河暦850年、ヒューマニドロームの外郭が完成する。この大事業は、銀河帝国の新たな宇宙航行時代のシンボルとなるはずだ----。だが、祝賀祭に現われた「最高ギャラクティカー」ガルブレイス・デイトン----奇妙なヘルメットを着けた非人間的な容貌から、ロボットではないかと噂された----は、意外な通告を発表した。
「ヒューマニドロームはテラが徴用する」大ステーション建造の裏にある陰謀を悟ったホルムは恋人のデニと逃亡を図るが、失敗。彼女を宇宙へと逃がせたことが、不幸中の幸いだった。
それから50年。ゲットー惑星と化したロクフォルトで強制労働に従事する囚人の中から、ホルムの姿が消えた。苦痛の半世紀の果てに、ついに宇宙への脱走に成功したホルムは、かつてヒューマニドローム建設に参加していたガタスの旧友のもとで、反テラ地下組織「シラダ」と接触する機会を得た。シラダ、「ラスト・フリー・ギャラクティカーズ」「ヴィダー(破壊槌)」....以前なら即座に犯罪者とみなした名に、希望を感じるホルム。----ぶきみな影の徘徊するヒューマニドローム。一部のテラに忠実な特権階級だけが出産の権利を有するガタス。テラと〈システム〉の冷酷な支配をこの目で目撃してきたからだ....。
シラダの本拠は〈大破局〉以来「失われた惑星」であり、テラの力も及ばぬジェヴォニア。だが、ホルムの希望は最悪の形で裏切られた。シラダ----古代ポルトガル語で「罠」を意味する----もLFGも、〈システム〉が潜在的反徒を狩り出すためのダミー組織にすぎなかった。ジェヴォニアは、ロボトミー処置で廃人と化した、かつての反逆者たちの監獄星。心を失くしたデニとの再会----慟哭するホルムの頭の中でも、何かがカチリと鳴った....。

バス=テトのイルーナは自由商人の《クレイジー・ホース》で再び惑星ブガクリスを訪れた。《バジス》乗員末裔たちとの前回のコンタクトの際、彼女はある未知ステーションを発見していた。再度その探究にとりかかった彼女は、それが自分を創造した遺伝同盟の対立組織〈調整者機構〉の残した遺伝子操作修正マシン「パララクサム」であることを知った。そして、それをヘクサメロンが悪用した結果、凶暴なドラゴン種族が誕生したことも。ところが、ある事故のためイルーナはめざめることのないゼロドリームに陥ってしまう....。
《シマロン》とドレイキストの《ブルージェイ》の、故郷への進撃が開始された。クロノパルス・ウォールを越え、銀河系へ----! だが、不安は現実のものとなった。かれらを待ちうけていたのは、第2の障壁〈ウィルス・ウォール〉。特殊調整されたコンピューター・ウィルスが両宇宙船のシントロニクスを麻痺させてしまう。しかも呼応してカンターロ部隊が出現! かろうじて回線を切断、稼働した一部火器のおかげで、無力に蹂躪されることは回避しえたものの、その隙をついてペドラス・フォックを人質に取ったダールショルの逃亡を許してしまった。やがて航行能力こそ回復したが、大破した2隻の障壁突破隊は未知惑星に不時着。その惑星キョンは、カンターロの培養したビオント(クローン)失敗作の廃棄場であった。一時ビオントたちとの間に生じた緊張はまもなく緩和されるが、前にはウィルス・ウォールがそびえ、背後のクロノパルス・ウォールを克服するパルス整流器は、改良に「協力」したダールショルの細工によって半壊状態。かれらは二障壁のはざまに立ち往生してしまったのだ。
....その少し前。惑星カルタンに帰還し、生ける伝説として迎えられたダオ・リンは、カラポン侵略に苦しむ「偉大な女たちの評議会」の支持を得て、モトの真珠の秘密をもとめ、カラポン人のM−33侵攻拠点「ベンツ・カラパウ」捜索を開始。フェング・ルーは、そこに真珠の一片があると語っていた。ようやくベンツ・カラパウを発見したダオ・リンだが、その誤算は、真珠がすでにカラポン本国へ送還されていたことと、死んだと思っていたフェング・ルーの存命だった。評議会の意向を無視して敢行されたカルタン艦隊の強襲がもたらした混乱のおかげで、彼女を憎悪するカラポン提督の手こそ逃れたものの、改めてカラポン人の捕虜となったダオ・リンと乗機《マラ・ダオ》は、ハンガイにある帝国本星カラポンへと連行されることとなった。

"ZURU"CK IN DIE MILCHSTRASSE" / 銀河系に還る
1990/12/15 r.psytoh with y.wakabayashi
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