
ついにペリー・ローダンは銀河系に帰還した!
ドロイド種族カンターロから故郷を解放すべく、
テラナーの旅路は新たな局面に進んだのだ。
だが、かれのまだ知らない、星の暗黒回廊とモトの真珠----その秘密こそが、
銀河系の、局所銀河群の過去と未来とを解き明かす道標なのだ。
そして、道は険しさを増しつつカンターロの彼方へと通じていく....

「〈回廊の主人たち〉が、おまえらを虫ケラのように踏みつぶすだろう」と言い残して爆発してしまう。しかもその直後、こんな通信が傍受された。
「ラカルドンはアンティパウラで成果を上げつつある。回廊の主人たちも満足されている」ラカルドン! あのナックはパウラ・ブラックホールで死んではいなかったのだ。そして、またも登場した「回廊の主人たち」なる概念....。
一方、銀河系をめざすダオ・リンの船《マラ・ダオ》では、科学者たちがアミモテュオから新たなデータを引き出すのに成功していた。「ユットラ」と銘打たれた数式の示すのは、シラグサ・ブラックホールの操作法! 意を決して事象の地平下へと突入したカルタン人は、そこで、アノレー3名を伴いネイスクールから帰還したティフラーらと再会する。
アノレーは、テラナーの言葉を確認するため、シラグサを転極して銀河系へ達しようと試みていた。ダオ・リンのデータが決定打をもたらしたのだ。その時、特異点から出現した物体があった。ニッキー・フリッケルの《ソロング》の残骸が!
....アンティパウラ、すなわちペルセウス・ブラックホールでのナックの活動の正体をつかむべく、フェニックスからの増援を加えたヴィダー艦隊は事象の地平へと進撃した。予期に反して弱体な防衛を破り、アンティパウラ・マイクロ宇宙のステーション占拠に成功したのだが....。すべて、ウウレマでの戦果にいたるまでが罠だった。一転して通常宇宙に脱出した艦隊を待ちうけていたのは、カンターロの大部隊! ドレイキストの《ブルージェイ》、イルーナの《クレイジー・ホース》が続けざまに直撃弾をうけて爆発、《ソロング》は制御を失い事象の地平に墜落した。大破しつつもかろうじて超空間へと逃走した《シマロン》が通常空間にもどった時、周囲に僚艦の姿は1隻もなかった....。
駆動系修復のため、《シマロン》は、メガイラ系シジフォスと命名された惑星に着陸。修理と並行して周辺の探索をはじめたローダンとエイレーネは、発見した廃墟でゲジルの投影像を目撃する。年代計測によれば廃墟は1800万年前のものなのに....。
カンターロによる封印を解かれたペドラス・フォックの記憶から、かれがゲジルについて尋問されていたことが判明する。さらに追い撃ちをかけるように、サブハルからの失踪時ゲジルの残した「コスモクラートの使者と行く」と告げるヴィデオがまったくの虚像であることがアンブッシュによってつきとめられ、ローダンは絶望にとらわれる。
アンティパウラへと派遣された搭載艇は、アトランとダントンが無事であったことを報告。人々が安堵したその時、艇の1隻が無人で帰還する。ただひとつ、奇妙なカプセルを乗せて。声が響いた。
「ペリー・ローダン、わたしはきみの敵。わが贈り物を受け取れ。そして、きみの敵がいかなるものか、知るがいい」カプセルから採取されたのはテラナーの細胞片。しかも、その遺伝的「母」とはゲジルなのだ!
うちひしがれるローダンを、「敵」の心理攻撃が襲う。謎の「敵」----誰もがワリンジャーの言い遺した「テラの広間に住む悪魔」を想起した----は、明らかにローダンの所在を常時把握している。心理攻撃を仲介するロボット・スパイは排除されたものの、機密漏洩を避けるため、ローダンはヴィダーと訣別、《シマロン》1隻で孤独の道を行く。

ハルト星域を厳重に封鎖するカンターロの手をくぐり抜け、猛烈な砲火でガラス状に変質したハルト地表下、トロトは、やはりハルト人滅亡の噂に疑問をいだきハルトへ潜入した者の残したメモ・パッックを入手。現在マゼラン星雲のテルツロックにいるというこの存在は、ハルト破壊以前にハルト人がいずこかへ去った証拠をみつけたと語る....。
シジフォスに停泊中の《シマロン》は宇宙艦の接近を探知した。それは650年前からガルブレイス・デイトンの旗艦である《オーディン》。
「ペリー・ローダンが旧友との再会を望むなら、11月なかばにオリオン・デルタで」トロトと別れ帰還したアトランのもとに、ヴィダー工作員ヤルト・フルゲンから「ソル転送機」なる言葉がもたらされた。その意味は誰も知らない。そして、ローダンとアトラン、ダントンが故郷太陽系前面に置かれたステーションへと潜入したその時、突如としてソル系が消失した! まるで、ATGフィールドに包まれたかのように。「テラの悪魔」は危険を察知してみずからを閉ざしたのか....?
ローダンはデイトンからの呼びかけにしたがい、オリオン・デルタ系トプシドへ。暴走するロボット胞子の猛威の前に一面の廃墟と化した惑星。無人の《オーディン》で、かつての旧友たちは再会した。
「ガル、細胞活性装置を見せてくれ!」その一言は魔法のように作用する。650年前、デイトンは活性装置を奪い去られた。かれの生命を救ったのはカンターロ。代償はドロイドと化すこと。傀儡となりはてること....。友の言葉に人のこころを取り戻し、すべてを告白せんとしたデイトンは、死のインパルスのため壮絶な爆死をとげる。
一方、テルツロックに到着したトロトは、ビッグ・プラネットの衛星軌道に数万のフラグメント船を発見。かつてトロトの言葉にしたがい二百の太陽の星を旅立ったポスビたちは、ローダン探索に疲れ、ここに集結していたのだ。かれらの協力でハルトにメモを残したハルト人----ドモ・ソクラトと再会したトロトは、ハルトを去った同族たちがアンドロメダ星雲に移住したという伝説を聞かされる。さらに一体のポスビを加え3人となった一行は、空白の時代の後すべてが未知のアンドロメダをめざし出発する。
《ソロング》の残骸から唯一の生存者ニッキーを救出したティフラーたちは、ブラックホールをめぐるかつてのハンザ基地シラVIIに奇妙な反応を探知した。ちょうど惑星サトラング上空で目撃された「幽霊船」のような----だが、後に開発されたマキシマム探知器はカンターロ艦をも完全に捕捉するはず。調査を開始したミュータントたちを謎の「幽霊」が襲う。そして、非現実的存在は、イルミナ・コチストワの活性装置を奪い、姿を消した。生体物質をあやつる超能力のおかげでイルミナは死こそまぬがれた----だが、それがいつまで保つのだろう?
まもなく暗黒星回廊を越えてアンティパウラに出現した一行は、ラカルドンの介入で1年の時間を失いつつも、駆けつけたヴィダーによって救われた。

「アマゴルタとは、伝説によれば回廊の主人たちの隠遁した場所の名だ!」イルミナの活性装置盗難の事実を知らされたローダンは、ふと思いついた。かれが〈モノス〉と名づけたテラの悪魔は、もしや、生死不明の〈それ〉の力の球形体を掌握するために、すべての活性装置を必要としているのでは....?
いまもカンターロを自分たちの「兄弟」と信ずるアノレーたちは、かれらを正道へと呼びもどすべく「平和スポークスマン」作戦を開始した。銀河中枢部に設置されたハイパー送信機群が、アノレーの名のもとにカンターロたちに絶えず呼びかける。汝らカンターロよ、己の生まれきたるところを思い出せ----!
おなじ頃、アンブッシュがモトの真珠から新たなデータを抽出。回廊の主人たちの言語で、
「最終目標はアマゴルタ----静穏----平和----内なるものへ----」やがて、絶えざる平和スポークスマンの呼びかけに、ついにカンターロからの応答があった! ユッタラルという「将軍候補生」からの返信に応じ、カンターロの培養惑星ニジト系サンプソン潜入作戦が発動された。三名のアノレー、そして、モノスにすべてが漏れるリスクを犯してまで、ローダン自身が人員輸送船に密航する。ローダンの固体周波数、活性装置の固有振動、そのすべてに対する防護措置もむなしく、これまでモノスは常にローダンの居所を的確につかんできた。それなのに、旗艦となった《オーディン》を離れ、ローダンが無防備のいま、モノスはかれを見失ったかのようだ....。
これまでの過程で、カンターロの寿命がアノレーに比して異常に短いことが明らかとなっていた。つまり、銀河系に来訪した当時のカンターロはすでに死に絶え、ドロイドは「回廊の主人たち」と崇める最高司令部の正体をまったく知らないのだ。回廊の主人たち----モノス。敵はひとり、それとも複数? この矛盾の真相は、やはり過去にあるのだ----。
培養惑星サンプソンには通常のカンターロの他に「将軍」となるべき特別クローンの製造施設が設置されている。かれら将軍候補生は数ヵ月の教育の後に銀河系各地へと派遣される。そのひとりユッタラルは、みずからの種族を銀河系の「奴隷」と感じ、その真相を知りたいあまりにアノレーとのコンタクトさえ望んだのだ。ところが、やはり候補生のショウダルが「不良品」の行動を察知し、裏切りを阻止せんとサンプソン長官のナックに通報。その帰結は死のインパルスによる候補生皆殺しだった。かれらは奴隷なのだ----回廊の主人たちの。
生き残ったのは、ショウダルただひとり。皮肉にも、かれもまた自爆装置の完全に作動しない「不良品」だったのだ。アノレーの正しさを認識したかれは、回廊の主人たちを呪った....。

"ZURU"CK IN DIE MILCHSTRASSE" / 銀河系に還る
1990/12/15 r.psytoh with y.wakabayashi
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