----あるいはrlmdiの秘密の活動について

しかし、ドイツ人ならぬ身の日本の読者にとって、話はまだまだ1カ月遅れ。
ごうをにやしたrlmdi謎の支配者は、ついに秘密計画を実行に移した。
ある晩、rlmdiの "マークスにも劣る生活水準の半専属ライター" 西塔玲二は、「恒例のrlmdiの呑み会だよん」という言葉につられて鎌倉くんだりまで誘拐され、もてるかぎりの情報を絞りとろうとするrlmdiの拷問をうけることになったのだ。
「ローダン1500話なんて、知らないってば!」だが、拷問者の読んでいるアトラン・シリーズ原書はだてではない(!?)
夜半すぎ、ついに西塔は酒(なに呑んでたかはもう覚えていないや)と女(ここでは、いわゆるエアチェックしたビデオからさわやかに微笑みかけて、魅力あふれる歌をうたいまくるお嬢さんたちのこと)の力に屈した。
「すみません。そうして、やがて西塔が崩れかけた脳みそから勝手きままにひねりだしたのが、"まだ読んでいない"ローダン最新ストーリーだった。原稿書かなくてごめんなさい。
わたしの名前は西塔玲二。
最近メッキリ〆切を守れまへん。嵩処さん、『U−top』の〆切オーバーしてごめんなさい。あやまりついでに、完成のメドはたっておりません。
ちなみにわたしはいま、rlmdiの本拠にとらわれて一生懸命に洗脳されています。マンモスラッチー....ああ、どこまでも堕ちていく。
....。
さて、気を取りなおしたところで、rlmdiのお仕事の話を少々。
『プロジェクト・メーコラー』はいつ出るんでしょう?
責任の一端はわたしにあり、責任の一端はrlmdiの大御所にあり....んで、真中のはるかに長い部分は、ふたりをマンモス堕落させる佐野くんにあるっP。
うーん....思いおこせば1300話、ティーンエイジャーだったエイレーネ・ローダンにのりぴー言葉をしゃべらせて紹介しようとか、あのへんからアブなかったんだよな〜。 そんなこといっても、こんなちいさな星ではいつか出会ってしまう....あれ? ちょっと古くないっすか? このビデオ?
新しいのがいーなぁ。
えっと....だから、とりあえず、『プロジェクト・メーコラー』は出るはずです。つづいて『銀河系に還る(だあれも「おかえりなさい」はいってくれない篇)』はいつでるんでしょう?
とりあえずわたしは現在1400−1495....もとい1500話(うそ)を完全読破し、鋭意執筆中です。んで、最終目標は「かみさまだけが知っている」....ただし、この神様は御町内の平和を不運な女の子に託して、本業はなんなのかわからないたぐいの神様なのでありました。
では最後に一曲....ではなくて、幾千冊の原書先読みシリーズは永遠にこれで終れない茨の道なのでありました。わたしの良心は1500話で終わるといっているのだが、毎日の怠惰な日々のかげに侵略の魔の手はしのびよるのだった....なんのことなの?」

1498. R.Westturm / Schreckender funf Hypercantaro / 戦慄!ハイパーカンターロ五人衆ポスビとハルト人の大艦隊が、回廊の主人たちの500年の支配をうちやぶるために敵の本拠地テラを包囲する。
だが、敵にも秘策があった。
かつてアトランの養い親だったという(いったいどーいう設定なんだ?)謎の日本支部長は、ローダンがもつコスモクラートの細胞活性装置を無力化してしまう特製カンターロ〈細胞振動溶解酵素=えんざいむ〉に調製されていく。
ついに、ローダンは太陽系をつつむデフトラフィールドを突破! だが、テラを目指す細胞活性装置所持者の前に、回廊の主人たち最後の切札〈ハイパーカンターロ〉五人衆が立ちふさがる。そんでもって、ローダンはあっさり〈えんざいむ〉に細胞活性装置を奪われて、制御を失った自分の細胞に食われてしまうのであった。(いくら呼んでもあの赤い眼のおじさんは助けてくれない。そうなんと意外なことに、アトランはカンターロの若き....どこが?!....エリートだったの)
そしてとらわれのゲジルとエラートと、ついでにアラスカとテスターレの運命はいかに んで、次回につづく。

1499. T.Hohenlander / Untergangder cantarische Blanch Japan! /カンターロ日本支部壊滅!ゲジルはアトランのことを「人でなし!」とか言ってみたが、こいつはもともとアルコン人なんである。
ついでにいうと、ゲジルだって他人のことはいえない。
そのゲジルが危機だよーん。
さてさて、ところがぎっちょん、細胞活性装置の外皮にこびりついた不屈のローダン細胞はめきめきと生長し、復活。
しかも、その事実を知ったアトランはあっさり前言を撤回し、「わたしが願っているのはカンターロの転覆だ」とかなんとか、べつに欺く必要もなんもなかったのに、いまさら胡麻かしはじめる。
あわれ、カンターロ日本支部は、うぞうむぞうのカンターロともども、あっさりやられてしまう。なによりも、のうみそがぼーっとしたままのローダンが瞬間切替スイッチだけをたよりに暴れたもんだから、だれも次の行動を予測できなかったのね....。
だからいったいなんなんだ、日本にしかカンターロはいないのか?! という読者の非難をよそに、ストーリーは大団円をむかえる。

1500. H.Jungwald / Das Geheimnis des BlaueWasser / ブルー・ウォーターこのタイトルは次に始まるサイクルの名称でもある(!?)
話は一気に時代をこえて新銀河暦1889年、おりしも宇宙の怪物があちこちで宇宙船に穴をあけて遊んでいるという不穏な噂が流れているなか、パリで万国博覧会が開催されていた。だからなんなんだという、編集者の文句をよそに、作家たちはついにローダンを海洋冒険SFに方向転換することを決意していた。
だいたい直径1126kmにおよぶ胞子船をどうやって地球の海で航海させるというのだろう?
もちろん、地球の海には別の世界に通じているコスモヌクレオチドの二重螺旋がある。水平線のかなたでは海水が巨大な滝となって虚空にながれ落ちている。そのため、コスモクラートは海が干上がらないようにあちこちに無限の海水を吹き出す〈泉〉を建設しなければならない。
そうして、だからなんなのという取次店の心配をよそに、ローダンはひとり、親友アトランの仇である白い大鯨を追い求めて宇宙を放浪しているのだ。
ちょっとまて、どうして主人公だけ宇宙にいるんだ? 「だから」と、LKS(読者とのコンタクト・ページ)でヴルチェクはすました顔で書いているのだが「主人公は海なんです。わたしはこの作品に失敗したら二度とSFは書きません」
世界のSFファンのために(特に東ドイツの無垢のSF読者のために)海洋冒険版ローダン・シリーズは是非失敗してほしいものである。
みなさん、期待しましょう。

しかし、ドイツ人ならぬ身の日本の読者にとって、このフィナーレはは6月のある暑い日にやってきた。
rlmdiの「ツーノーザーにも劣る生活水準の半専属ライター」西塔玲二は、東京神田の三省堂書店からの通知をうけ、仕事の合間なるものをつくって、いそいそと原書を受けとりにいった....そう、そこまでは幸福だったのだ!
原書数冊をかかえて、一軒の喫茶店でひとときの休息なるものをとって、コーヒー一杯でねばりつづけた。
その努力の甲斐あって、知ってしまった驚くべき真相とは。
夜も更けてから、呆然とした足どりで家にたどりついた西塔は、万年床にたおれふして、ぼんやりと「この不幸をだれかにわかち与えなければ....でなければ、このままローダンのおかげで息絶えてしまう」と考えた。そして、1カ月前のあの晩の「お礼」かたがた、おもむろに鎌倉のrlmdi指令部に電話をつないだ....。
一晩かけて、ようやく不幸をすべて伝えおえた氏はほっとして電話を切ったわけだが....まあ、これが、その後の一週間、関東一円のある特定の人々のあいだをぐるぐる回った「不幸のローダン電話」のはじまりなんである。


忠実な官僚のダールショル先生、一路テラをめざしたね。自分たちカンターロを統括する〈回廊の主人たち〉に御注進にあがろうと....そこで、かれが出会うのが〈回廊の主人〉のひとり(みかけはテラナーなの)。
....ダールショルがなにやらゴニョゴニョと告げ口すると、主人はおおいに喜んで「〈回廊の主人〉8人のなかに〈裏切り者〉がいて、しかもローダンに協力していたとは知らなかった....よしよし、あいつを排斥したら、きみを〈回廊の主人〉のひとりとして迎えてあげよう」とかなんとか甘い言葉をかける。
で、帰り道、スキップなんかしながら浮かれてたカンターロは、〈主人たち〉がいきなり発したインパルスをうけてボロボロに壊れてしまう....あわれ! ダールショル。

要するに、権力を得ようとした連中がいて、どっかから、自分たちの言いなりになる奴隷をみっけてきて、偶然に自分たちの正体を知ったやつらは後ろからグっさり....という、あのパターンである。
そういえば、〈回廊の主人〉も6人とか7人とかいろいろデマを飛ばしたけれど、ようするに、頂点にあの「イルミナやワリンジャーなんかの活性装置を強奪した幽霊野郎」がいるとかいないとか推測して人数がぐちゃぐちゃになっちまったんだった。それに、いかにも人間とは思えない「シミュデン・ミュルホ」とかなんとかいう名前のヤツが〈回廊の主人〉のひとりという話もあったしな....けっきょく、ミュルホさんとかも含んで全員テラナーの外見しているみたいだけれど....いいんだろうか、こんな安直な展開で。
でも、そうしたら、あの活性装置強盗の「幽霊野郎」ってのはいったい何者なんだ?

ポスビの大プラズマは、ドロイド種族・カンターロの500年の支配をうちやぶるため、銀河系に強力なメンタル妨害フィールドを発生させる。でもって、本部との連絡を絶たれたカンターロたちは右往左往....なんと、これをもって、敵の主力は壊滅してしまう。(おいおい....)
一方、アダムズを長とする銀河系抵抗組織〈ヴィダー〉は必殺兵器をひっさげた《バジス》で太陽系を包む超バリアをあっさり突破。人工の夢にとらわれて、ぐーすか滅びさろうとしていたテラナーたちを解放する。

1498. K.H.Scheer / Rhodans Tod /ローダンの死....信じてないでしょ? でもほんとにこういうタイトルなんだよ。
ついに、対峙するローダンと〈回廊の主人−単数形〉=ペトラス・フォック....実はこの「わけのわからんへんなやつ」、なにを考えているのやら、ひとり8役で〈回廊の主人たち〉を演じていたのだ。しかも、その動機はただの「ローダンへの復讐」なのだとかいう。
まったく、銀河系各種族はいいとばっちりである。
どうやら、ヘクサメロンの残党(?)とかがゲジルを誘拐し、ローダンの奥さんと何者かの遺伝子と混ぜこぜしててフォックを造った。
フォックは、「父の仇」をとれと教えられて、ただもうローダンを退治するために、太古の〈回廊の主人たち〉の名をかたり、カンターロをごまくらかし、500年も銀河系を支配し(ゲジルとかの遺伝子のおかげで歳はとらない)、テラナーを破滅に導こうとしていたのだ。
このいわば〈超時空変質者〉は、逃げられないと知ると、全銀河に展開するカンターロ部隊にインパルスを送り、重要施設ごと自爆させようとする。んだけど、ポスビが頑張ってるかぎりインパルスが届くはずがない。(ポスビ、えらいっ!)
そうとなれば最後の手段....ついに敵はローダンを道づれに壮絶な爆死をとげる。
これをもって、ローダン・ヘフト全1498話は完結したかと思われたのだが....。

1499. Ernst Vlcek / Das Mondgehirn erwacht / 月面脳目覚める実はペトラス・フォックとともに爆死したのは、ローダン・マスクをつけたヴァリオ500(あの変幻自在のロボットね)だったの....と、アトランはつまらん種明しをする。
そして、コンセントひっこ抜かれていたネーサンにふたたびスイッチがはいると太陽系も電気がともり、銀河系もそれなりに復興への道を歩みはじめた。ついでに、なにごともなくゲジル、ペリー、エイレーネが感動の対面をしたとかしないとか....で、話はずるずる完結してしまう。
教訓:「ローダンはやっぱりあなどれない」そして....
余談:「ヴルチェクの頭はどういう造りをしてるんだ?」

1500. Ernst Vlcek / Ruf der Unsterblichkeit / 不死の呼ぶ声このタイトルは次に始まるサイクルの名称と同じではないらしい。
話は一気に22年後。(だからエイレーネも40歳をこえてしまったの。うるうる)
銀河系は復興している。あの災厄をなんとか生きのびてきた連中は、それなりの地位を得て活躍している。アダムズは〈宇宙ハンザ同盟〉の指導者だし、ダオ・リン・ヘイはカルタン人の〈名誉職〉についたし、ロワ君はたぶんこりずに〈自由商人〉してるんだろうし、グッキーはあいかわらず〈かぶら〉をかじり....ローダンはどうせ〈盆栽いじり〉かなんかしてるんだろう。
ところが、ある日、生き残り細胞活性装置所持者12人のもとに、いきなりホムンクがあらわれ、〈それ〉のメッセージを告げる。
「活性装置を集めて、ワンダラーにもってこい。期限は14日だ」
なにがいったいどうしたっていうの? と、ローダンが言ったとか言わないとか。とにかくそうして、またとんでもない話が始まろうとしているんだそうだ。
うーん、1500話自体はこんだけしか話がない。
でも、いきなり「ワンダラー」というのは反則だよねえ。「海洋冒険SF」にならないだけ良かったといえばまあ良かったけれど。うーむ、困ったもんだ。

"WANDERER WANDERT" / 迷走惑星ワンダラー
1990/5/15 r.psytoh with y.wakabayashi
produced by 