III デマロンの時代 / Demarons Zeit



1. 錯綜 / Die neuen Auserwa"hlten
2. 遠征 / Expedition nach Estartu
3. 告白 / Konfession des Kosmokraten
4. 秘録 / RIUNAN-Report und SAMUR-Log

追記 : さよなら・たーちゃん / Taurec go-home!




〈汝らの生まれし場所へ還るのだ!〉

 ----迷走するワンダラーに招かれた14名のリング人調停者たち。

 それぞれの故郷へと戻ったかれらは、おのれのキーマ樹に、それを見出す....



1. 錯綜 / Die neuen Auserwa"hlten

〈汝らの生まれし場所へ還るのだ!〉

 ----迷走するワンダラーに招かれた14名のリング人調停者たち。それぞれの故郷へと戻ったかれらは、おのれのキーマ樹に、それを見出す。

 永遠を。不死を。

 細胞活性装置!

 やがて、ギャラクティカーも気づく。それが、1169年10月に「返却」されたうちの14基であることに。いまや、リング人は正式に〈それ〉の力の球形体を代表する種族となったのだ。そして、調停者たちもそれに即して行動を開始する。これまでは、静かなる無政府主義の種族の代弁者。これからのかれらは、銀河系のみならず、広大な〈それ〉の勢力エリアの秩序の番人!

 おりしも、〈モンキン〉----「モノスの子供たち」----を称する海賊組織による、銀河辺境の見捨てられたビオント惑星襲撃が頻発する。モノスの悪しき遺産であるクローン同士の動乱を鎮め、みずからの「力」を誇示せんとする調停者アラムス・シェノール。リング人のもたらす平和を信じないアトランの介入によって、ビオントの惑星は、新旧の「選ばれし者」の決闘の場に一変する----!

 一方、調停者ブランゾル・マネラは、ギャラクティカムの構成種族間に「新たな秩序」の概念を植えつけることを試みる。膨張をつづける14名の〈キーマ〉と能力。銀河系の民に静かに広がる動揺。そして不死は、永遠の生命は、好ましからざる権力の腐臭をただよわせはじめる。

 さらに、ビオントをめぐる抗争の背後には、再び暗躍を開始したナックの影があった。モノス時代からひそかに進行していたという〈ペンタスコーピア〉計画とは。調停者の魔法さえも通用せぬクローン=ペンタスコープの超空間を見る能力は、なんのため? 人々は、異宇宙種族が「最も内なるもの」すなわち〈それ〉を探求する真の理由すら、まだ知らないというのに....



2. 遠征 / Expedition nach Estartu

 リング人という新たな「選ばれし者たち」の出現で混迷する銀河系に、再びその姿をあらわした「陰謀家」ストーカー。かつてのソト、力の球形体エスタルトゥからの使節は、〈それ〉の謎を追う人々を十二銀河の帝国への旅にいざなう。〈それ〉の「妹」エスタルトゥならば、超知性体の惑乱を解く鍵を知っていよう、と。

 しかし、甘言の裏にはストーカーなりのもくろみがあった。かれはトルイラウの反乱組織トパルと決裂していた。実は〈守護者〉タウレクとも同盟関係にあったためなのだが、そのタウレクの手によって自らの遠距離船を破壊され、十二銀河へと帰る手段をも失ってしまった。それゆえ、ギャラクティカーを動かしたのだが....ストーカーにとり、遠距離船《ロビン》の乗員たち----その中には、ロナルド・テケナーとダオ・リン・ヘイ、アラスカ・シェーデレーアらも含まれていた----は、邪魔でしかない。

 ソトの暗躍によって騒然とする《ロビン》艦内。かれの持ち込んだ、封印された巨大なコンテナ〈ウォー・ボックス〉とは、いったい何? 事件の背後に見え隠れするものは、ほんとうにモノスの影なのか。そんな中、ギャラクティカーをふりきるためにストーカーの選んだ中継地点ヴィラメシュ銀河で、人々は十二銀河への「橋」を発見する。何者かが建造しつつある、超長距離転送機ブリッジを!

 事態は一気に動きはじめる。エスタルトゥの帝国で一行を待つのは、はたして廃墟と破滅、それともすべての問いに対する解答か? かつてのソトがトシン----追放者と呼ばれるのはなぜ? そも、超知性体エスタルトゥはまだ存在するのか?

 そして、失われたヘスペリデスの贈り物は、救国の英雄のサーガを語る....



3. 告白 / Konfession des Kosmokraten

 トルイラウに消息を絶った妻と娘の行方と、そして「モノスの父」の正体をつかむため、守護者の銀河へと《バジス》を駆るペリー・ローダン。まもなくトパルと合流したテラナーは、守護者の工作員のサボタージュをもくぐりぬけ、権力の中枢メリセラードへとたどりつく。

 しかし、かれがそこで見たものは----?

 ゲジルもエイレーネも、タウレクと共に歩むという。モノスと、死と破壊の張本人であるコスモクラートと! うちひしがれるローダンに、タウレクは語る。すべては、わが本意ではなかった、多くのことが失敗に終わった----と。

 物質の泉の彼岸への郷愁に憑かれたタウレクは、「泉」を新たに生み出さんと謀った。進化の次なる階梯に跳躍しうる段階まで到達しながら、それを拒む超知性体----〈それ〉を、ドリフェルに介入して強制的に「進化」させるのだ! しかし、この宇宙へのハンガイ転移に対する拒絶反応たるドリフェル・ショックにみまわれ、かれのもくろみは超知性体の時間感覚を狂わせてしまったらしい....

 「新たなコスモクラート」を結集して彼岸へと凱旋を果たさんとする試みは、期せずして「刷り込まれ」た誤てる憎悪によって、ゲジルとエイレーネを捕らえるためだけに銀河系を抑圧するモノスを生み出してしまった。

 700年前、ひとりのトルイラウの民とかわした契約----コスモクラートの目的が果たされたとき、この島宇宙は、著しい文明の発展を遂げている。タウレクが成功したのは、ただそれだけであった。

 そしていま、流浪のコスモクラートは、ゲジルとエイレーネの協力を得て、彼岸へと還るのだ....



4. 秘録 / RIUNAN-Report und SAMUR-Log

 活性装置を得た調停者たちを追う途上、発見された小さな謎----リング人の母星、テシャール星系リンゴラに、1万1000年前のアルコン船の残骸が?

 1万1000年前....テクマ星域に出現したフィクティヴ・ワンダラーにおけるローダンの体験を知るアトランは、「デマロンの時代」と呼んだ。アルコン帝国がその最盛期にイーストサイドで計画していた大事業とは、栄光の記念碑、第2のシンクロン三惑星系を建設すること! しかし、偉業は実現を目前にして、謎の失敗を遂げたらしい。不時着したアルコン船....では、リング人はアルコン人の末裔なのか?

 ロボット摂政を建造したエペトラン、テラにアルコン技術をもたらしたクレスト。およそ6000年の空白を置いて存在した、アルコンの誇る大科学者たち。かれらの遺した極秘ポジトロニクスには、大構築の指揮艦であった《リウナン》最後の報告が眠っている。やがて明かされる驚愕の真実。

 テシャール星系----「デマロンの時代」のアルコン人はハエモン星系と呼んでいた----改造プランは、突如出現したテフローダー艦《ザムール》との間でくりひろげられた会戦によって瓦解した! そしてリング人は、おなじく不時着したテフローダーとアルコン人の混血によって誕生したのだ。しかも、アンドロメダ・レムール人の子孫がイーストサイドに現われた原因は、島の王に対抗すべく「永遠の生命の星」を発見するためだった!

 ワンダラーがアンドロメダに? シュプールをたどるアトランとローダンを、マークスが阻む。かれらの恐れる「過去の復活」は、ほんとうに起こるのか。そして、忘れ去られていたもうひとつの「不死の惑星」上空で人々を迎える過去からの一大スペクタクル....14個の永遠の生命が、〈それ〉の使者によってひとりのテフローダーに手渡される。それは、忌むべき島の王の誕生の瞬間!

 デマロンの時代に《ザムール》がもたらした、存在するはずのない「負のストレンジネス」を持つ活性装置の残骸は、あるいは〈それ〉からのメッセージ? 超知性体は、いったい何を告げようというのか?



追記 : さよなら・たーちゃん / Taurec go-home!

「もー帰ってくんなーっ」

「おらたちの村から出ていけーっ」

「....」

「....さて、活性装置」

「活性装置ですねえ」

「おらたちの胸から出ていけーっ!」

「....死んじゃいますよ」

「しかし、けっきょく深まる島の王たちの活性装置の謎!?」

「公会議サイクルで、『あれは、わたしのパパが造ったの』なぞとのたまう少女とアトランとのからみが1話だけあったり」

「惑星小説でミロナ・テティンの母親が活性装置を手に入れる話があるとか」

「アトラン・シリーズに生き残りファクターが敵役で出演しているとか」

「話があわない」

「勘定もあわない」

「ファクターが13人、先刻の少女エルミゴアとその父上----15人も活性装置所持者がいる」

「で、ナンですか....島の王の反乱分子として処刑された6人のうちのひとりが、実はミロナさんの偽装だったって? まったく、わけのわからん算術を....」

「とにかく、14という数字をあわせたかったらしいけど」

「深く考えないことにしましょ」

「考えるとクラクラしてくるからな。ところで。トルイラウも....」

「もー帰ってくんなーっ....って?」

「しょせんあのヒトにしてみれば、この宇宙には愚民と虫ケラしかいないから、本人に悪事を働いたとゆー意識がまったくない」

「もっとも、これまでコスモクラートの秩序維持機構でヒトに迷惑かけなかったのって、ひとつもないけど」

「そして、次回は----?」

「次回も----?」

「....ボクはあさましくない。次の宇宙へ行こう」

「こらこら、逃避してどーするんです」

「....よーするに、解決しそうなので残ってる謎って」

「リング人と細胞活性装置と〈それ〉とワンダラー」

「なしくずしだよな」

「エスタルトゥの話は」

「どうせ大したことしないって」

「〈それ〉を捜しつづけるナック」

「1200話後半以降ずっと引きずってるからなあ」

「そして、いつまでも発行されない『メーコラー』」

「ぼくはあさましくない....」



"WANDERER WANDERT" / 迷走惑星ワンダラー
----from Private Cosmos 11-12

1991/5/15-1992/12/15 r.psytoh with y.wakabayashi
produced by rlmdi