本当のことなど誰にもわからない


Interview
Kei Jidaimatsuri / 時代祭ケイ




今回のインタビューは、なんと早朝五時半。

彼女はいま、泊まりこみで初のベスト盤の最終調整中。取材陣はけっきょく一晩またされることになったわけ。

ロビーから、ガラスの霜ごしに暗い外をぼーっとながめていたら、白い息をなびかせて、彼女が元気に走ってきた。いまや全銀河が注目するアーティストのひとりとなったケイが、鼻の頭を真っ赤にして。

----初のベスト盤ですけど?

ケイ(以下K)▼何週間も何週間も、アルバム聴いて、ボツにしてたテープも聴いて、ビデオみて、追っかけみたいにくわしくなっちゃいました。それにねー、あれはねえ、笑えるんだよなあ(くすくす)。

----なにが?

K▼売れはじめたころのビデオぉ(ひとりで爆笑)。

----え?

K▼こいつ誰? なまいきーっ、って感じで。楽屋なんかでふたりになったら、思わず「あんたねー」って、こづいてしまいたくなるタイプ。

----(笑)

K▼で、ビデオみて怒ったり笑ったりしてると、仕事にならなくって、困りました(と、舌をだす)。

----それでも、ようやく作業は一段落?

K▼だいたい。あとは、スタッフのみなさんの地道で膨大なお仕事がありますけれど。

----やっぱり、たいへん?

K▼うーん、選べないんですよ。全部すきだから。メジャーデビューの記念すべきアルバム「JUSTICE」なんか一枚まるまるおまけにつけたいぐらいなんですけれどね。

----豪華10枚組とか(笑)。

K▼それじゃベストじゃなくなっちゃいますよ。で、しょうがないから、均等に割ったんです。時期で。その時そのときの時代祭ケイを代表するようなやつを一曲ずつ。

----ふーん、時代祭ケイの全時代かあ。

K▼です。でも、やっぱり、あの売れはじめたころのわたしって、思い出ぶかいですよね。いろいろ。だから、このアルバムは、あのころのなまいきなバカに敬意を表して……それから、あのころ喧嘩したりお世話になったりした、いろいろな人に「あいかわらずよろしく」という気持ちをこめて(笑)。

----それで、曲のほうは?

K▼ロック、バラード、ラップなんでもありのセレクト全十曲。まだ、ちょっと順番なんかで悩んでるから、今日はリストを渡せないんですけれど、もちろん、「NEVER MIND」とか「Go! go! everybody」とか……あ、それから、新曲を一曲。

----え。タイトルは?

K▼「a lonely girl」……昔のビデオとかひっくり返してるうちに、なんとなくできちゃった詞になんとなくメロディーをつけたという(笑)。もってきましたから、あとで聴いておいてください(と、ニコニコしながらメモリチップを差し出す)。

----どんな曲?

K▼うーん、まあ、いきさつがそうなんで、とうぜん、あのころを歌ってます。崖っぷちで意地はって大声はりあげてる生意気でひたむきなわたしに。

----いまの時代祭ケイから「あんたねー」と。

K▼と、いうか、わたし、まだ、そんなに大人じゃないし。どっちかっていうと、あのころのわたしに、早く追いついておいで。で、ちょっと喧嘩して、仲良くなって、一緒にまた、バカやろうよ、っていう感じかな〜。

----よくわかんないな〜。

K▼わかるときにはわかる。わかんないやつには永久にわかんない……そんな歌かもしれませんけれど。とにかく、聴いてみてください。(小声で)スタッフも評価、半分はんぶんなんですよぉ。

その夜、「a lonely girl」についてどう書こうかなやんでいたら、彼女からメッセージがはいった。

「ね、あいかわらずタイトルと相反した、すごい歌でしょ?」

たしかにすごい曲。ということで、評価はファンのみなさんにおまかせ、することにしよう。




KEI JIDAIMATSURI / ベストアルバム(タイトル未定)

新曲「a lonely girl」を含む全十局

時代祭ケイ ● 2383年3月29日生まれ。ハイグレード在住




"Lonely Girl from North Counry 1st"

(c) 1996/2/14 yuki sano with y.wakabayashi
produced by rlmdi